第一章
原相論

第二章
存在論

第三章
本性論

第四章
価値論

第五章
教育論

第六章
歴史論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二章 存在論 

万物は本来の人間の姿をかたどって造られた。それ故に自然界を通じて本来の人間と社会の姿を知ることができる。神の属性の理解が現実問題の解決の第一の基準であるとするならば、万物の属性の正しい理解は問題解決の第二の基準となる。

一、個性真理体の普遍相

(一)性相と形状

存在者はその原因である原相に似ている。それ故万物の一つ一つが性相・形状、陽性・陰性の普遍相と個別相に似ている。

存在者の格位が高くなるにつれて下位の性相的要素及び形状的要素は格位の上位の性相及び形状の中に包含される。すなわち存在者の性相・形状は階層構造をなしている。

存在者の性形の階層的構造

性相      

(人間)

   

(動物)

生心
 

(植物)

本能(肉心) 本能(肉心)

(鉱物)

生命(自律性) 生命(自律性) 生命(自律性)
物理化学的作用性 物理化学的作用性 物理化学的作用性 物理化学的作用性
形状 原子・分子 原子・分子 原子・分子 原子・分子
  細胞組織構造形態 細胞組織構造形態 細胞組織構造形態
    感覚器官・神経 感覚器官・神経
      霊体

神は創造に際して心の中にまず性相と形状の統一体である人間を考え、その人間の性相と形状から次々に一定の要素を捨象し、次元を低めながら動物・植物・鉱物を考えられた。ところが実際の創造はその逆に鉱物から始まって植物・動物・人間の順で行われた。結果的に見るとき、人間の性相と形状は鉱物・植物・動物のそれぞれに特有な性相と形状が積み重なってできたように見える。

宇宙は生命の場であり、宇宙には生命が充満している。それは神の性相に由来している。生命を捕らえる装置さえあればそこに生命が現れる。その装置に当たるのがDNAという特殊な分子である。それ故にDNAを合成することができたとしても生命を造ることができたことにはならない。

(二)陽性と陰性

陽性と陰性は性相と形状の属性である。

人間の性形の属性としての陽陰

  陽性 陰性
性相 明晰、敏感、豊富な着想 混濁、ぼんやり、鈍感
明朗、愉快、喜び、安心、興奮 憂鬱、深い、悲しみ、不安、恐怖
積極的、能動的、創造的、決断性 消極的、受動的、保守的、優柔不断
形状 隆起、突出、凸、表面 陥没、孔穴、凹、裏面

動物・植物・鉱物においても性相に陽性と陰性があり、形状に陽性と陰性がある。

各個性の個性真理体の性相と形状が陽性と陰性の属性をもっているだけでなく、人間・動物・植物・鉱物の各々において陽的な実体と陰的な実体がある。

男と女、雄と雌、おしべとめしべ、陽イオンと陰イオン、陽子と電子

男と女の形状(身体)における差異は量的な差異 陽陰の要素の多少
男と女の性相(情)における差は質的な差

二、個性真理体の個別相

個性真理体は普遍相の他に一個体にのみ特有な属性をもつ 個性真理体の個別相 普遍相の個別化

  個別相は普遍相と別個ではなく普遍相自体が特殊化、個別化されたもの

性相・形状、陽性・陰性が個体ごとに異なって現れるのが個別相

 個別相と環境

  個別相は個体が生まれつきもった特性であるが、個別相にも環境によって変わる側面がある

全ての個体において原相と同じく自己同一性と発展性が統一されている

  不変的な側面が本質であり、変化する側面は二次的なもの

  人間はあくまでも環境に対して主体である

  環境が人物を生むのではなく予備された人物が環境舞台に事態収拾のために登場する

三、連体

  個性真理体とはその内部に目的を中心とした主体と対象の相対的要素があって、その両者が授受作用を  して合性一体化したもの

  他の個性真理体と主体と対象の関係を結んで授受作用を行うときこの個体を連体という

連体は個体目的と全体目的をもった存在

  素粒子から宇宙、人間に至るまで統べての被造物は二重目的をもった連体として存在している

個性真理体として内的四位基台を維持しながら他の個性真理体と外的四位基台をなしている。人間にお  いて内的四位基台は生心と肉心の授受作用によって形成され、外的四位基台は周囲の人々との授受作用  によって形成される。人間はこの内的外的両方の四位基台を円満に維持していかなければならない

全ての事物は目的を中心として他者と相互関係をもっている。全宇宙は相互関連をもった無数の個体か  らなる巨大な有機体である

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