<基本情報> <ツアー情報> <写真集> <生活情報> <伝言板> <アート&カルチャー> <リンク集> <メール>


●アート・アンド・カルチャー

ヒンドゥーイズム
仏教
カースト
民族音楽
民族舞踊
ファインアート

アーユルヴェーダ
スポーツ

アート&カルチャー/カースト



  • カーストとは
 カースト制度とは15世紀末にインドにやってきたポルトガル人によって、インド特有の身分制度を指す言葉としてつけられたものです。カーストはポルトガル語で血統や種族を意味するカスタという言葉が語源となっています。カースト制度の中にはヴァルナと呼ばれるものとジャーティと呼ばれるものがありますが、彼らがこれらを区別せずに一つの言葉で表したために、「カースト」今ではインドの身分制度の総称となっています。
  • ヴァルナとは
 ヴァルナとはサンスクリット語で色を表し、肌の色による差別体系のことを指します。もともとは白色系人種であるアーリア人がインド西北部に侵攻してきた際にインドの先住民族であるドラヴィダ族等の有色人種と自らを区別するために作り上げた制度です。司祭階級の「バラモン」を頂点として、その下に王族、武士階級の「クシャトリア」、農民や商人等の庶民階級である「バイシャ」、奴隷階級の「シュードラ」の4階級に区別されています。さらにその下にこれらのうちのどの階級にも属することのできない「不可触民」(アンタッチャブルとかハリジャンとも呼ばれる)がいます。
  • ジャーティ
 カースト制度のみならずインドにはジャーティと呼ばれる身分制度も存在します。ジャーティとは職業別の身分差別で、職業は数千にも分類されています。この中でもドービーと呼ばれる洗濯屋さんや、ごみ拾いの人々、町の掃除屋さんなどは人から出た汚れを扱うとして特に汚い存在として扱われています。これらの職業はほとんどが世襲制でこの世に生を受けた時点で彼らの運命は決まっているのです。
  • 不可触民
 不可触民とは4つのどの階級にも属すことのできない最下級に分類された人々のことを指します。彼らはヒンドゥー教の浄・不浄の観念によって「穢れ」の存在としておかれていました。こういった「穢れ」という意味において日本の部落差別にも共通点があるといえるでしょう。
 また、こうした身分制度を認めているヒンドゥー教から逃れようと1950年代後半にはアンベード・カール博士を中心として仏教への一斉改宗が行われたりもしました。
  • カースト制度の現状
 現在ではインドの憲法(1950年制定)で不可触民の差別、カースト全体の差別の禁止が明記されています。また、下層の指定カーストに対する優遇措置(リザーブシステム)もあり、これらは一定の効果を出しています。しかし、それが原因で新たなる差別を引き起こしているという現状があります。この優遇措置を受けるには自分の出身その他を明らかにしなければならないからです。こういった様々な政策がとられてはいますが、実際にはあまり身分の問題は解消されていないのが現状といえるでしょう。

mailto:n-shige@pop.tc4.so-net.ne.jp

1