コラム:おと・おとの法則
ずるくて、こすくて、情けないもの。それが大人の男なのです
解説して欲しい言葉・法則がありましたら憂鬱のKまで、感想もお待ちしています
時間割 法則1−34
1時限目の講義
2時限目の講義
3時限目の講義
4時限目の講義
5時限目の抗議
6時限目の広義
7時限目の公儀
8時限目の交誼
9時限目の虹技
10時限目の厚誼
学期末の講義
8/9(土)
● 法則1寄らば大樹の陰
- せっかく寄るのにわざわざ小さい木に隠れるのは賢くない。どうせ、寄るなら大きな木がいい
- 「虎の威を借るきつね」という言葉もあるが、「きつねの威を借る虎」という言葉はないのも同じ理由。せっかくとわざわざ、から
- この「せっかく」と「わざわざ」は大人の男がよく使う論理・キーワードなので、マーキングするべし
- これを単に、面倒くさがっているだけ とか、悪ぶっているだけ とか、善意に解釈してはいけない
- 今やらないやつが、いざという時やるわけがない という経験則がある
● 法則2 善処します
- 役人・官僚がよく使うので評判を落としたが、もともとの意味に近づいたともいえる
- 「検討します」もよく使われる言葉だが、そんなことぁ言われんでも分かっているの意味で使われる場合がほとんど
- てきとう という言葉も適宜使い分けられるようになって初めて立派な大人の男といえる
- 今の「てきとう」は「適切な」の意味ですか「チャランポラン」の意味ですかと聞いてはいけないという不文律がある
● 法則3 あうんの呼吸
- あ と言えば うん と答える。若輩ものは「ツーといえばカー」などという言葉を使うが、この両者には「月とスッポン」つまり雲泥の差がある
- 問わず語らず、の精神が大人の男に必須であるという考えがそこには隠されている
- この隠すということが、何もないところに価値を生む。大人の男はこのことを知っているからよく隠しごとをする
- パンツもちらっと見えるのがいい、これは永遠の真実である
● 法則4 今出ました
- 蕎麦屋がよく使うこの言葉は、とても応用範囲が広く、大人の男が好んで使うものの一つである
- ここには、今という時間を表す言葉と、出ましたという行動(過去形)を表す言葉の2つが使われており最低限の言葉ですべての会話を終了させるという効果を発揮している
- この組み合わせは何通りでも考えられて「もう、やりました」に始まって「すぐ、やります」とつながる
- 形が崩れてくると「…思ってました」「…しようと思います」という若輩言葉まで堕落してしまう
- あくまでも過去形にこだわるべし、トイレその他の排泄行為中に使ってはいけない
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8/16(土)
● 法則5 雨降って地固まる
- 結婚式の披露宴でさえ使われなくなったこの言葉を「ふるくさ〜い」と見下してはいけない。もちろん必要以上に持ち上げてもいけない
- 雨が降れば地盤が弱くなることは毎年のニュースを見るまでもなく、天の理(ことわり)である
- しかし、大人の男の世界は理で動いてはいない という当たり前の法則を分かりやすく言い表したもの
- 従って、この法則を暗に女性に教えるため、古来より披露宴で頻繁に使われた
- 「災い転じて福となす」という言葉もあるが、これは転じる力が重要だという教えで両者は明確に区別されなければならない
● 法則6 長いものにはまかれろ
- 短いものにはまかれようがない、ことからもわかるように「当然のことは当然のようにやってくる」の意味がある
- この「当然のこと」とは、当然のことながら「天の理」とは一致しない
- また、当然のことながら長い・短いの客観的なものさしも存在しない
- かわいそうなのは、とても「まけないだろうな!」という長さでも、時には無理矢理
まかれなければならない という状況が訪れた時である
- しかし、「当然のことは当然のようにやってくる」ものなので諦めるしかない
● 法則7 子供は早く寝なさい
- 古来より夜は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)と大人の時間であったために使われたとの言い伝えがある
- 現在では「子供は早く部屋に戻りなさい」へと変化した
- どちらも「見ちゃ、いや!」の歪んだ変形ではあるが、多分見せても驚かれることはないとのうわさがある
● 法則8 虎穴にいらずんば虎子を得ず
- 虎穴とは「虎の穴」のことで、有名な闇のプロレス道場のこと、つまり「体をはってやらなければ何事も成就しない」の意味
- この「xxxをはって」は大人の男の定番である、またまたマーキングすべし
- といっても、体以外にはるものは限られているのだが「xxxをかけて」とともに、一種のハイな状態になっていることが多く、危険でもある
- 薬をやらなくても、自在にこのハイな状態を作り出すことが出来るようになると一人前である
- コツは「自己陶酔」による脳内活性物質エンドルフィンの分泌にある
- 胸をはる、は誤用。トクホンをはる、は問題外。ふりかけをかける、も同様
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97/08/23
● 法則9 Give and Take
- ”得るものがなけれが人は寄り付かない” との
英訳 和訳が一般的
- ほとんどの大人の男は最初のGiveにアクセントを置き、最後のTakeを発音しない
- 無意識のうちに、意識を込められるのが大人の男である
● 法則10他力本願
- 本来は、自力を尽くした後での他力(自分ではどうしようもない、運とかいったもの)任せ、との風聞がある
- 現在では、俺は知らない・なんとかなるさ・誰かやるさ の3つの意味を簡単に表現出来るとの理由から頻繁に使われる
- 実力本位といわれる、スポーツ・政治の世界でも使われることを考えると世の中はなんともならないものであるという事が分かる
- たりき と読む、決してたりょくではない。一般に知力、体力等
りょく 系の言葉は愚かなちからを意味しており人間に用いられることが多い
- 馬力は ばりき と読まれることからわかるように俗世から切り離されたちからと考えられている
● 法則11 我田引水
- 自分の田んぼには自分で水を引いてこなければならない ことから、他人は当てにできないの意
- 一般には自分勝手な理屈で都合のいいように物事を解釈すること
- このコラムが面白いかどうか、”他人の判断は当てにできない”
- このコラムの法則説明そのものが”自分勝手な理屈で都合のいいように物事を解釈している”
- この2点から十分に我田引水の好例であると断言できる
● 法則12 金の切れ目が縁の切れ目
- 明治以前は金の切れ目が円の切れ目と表記されていた、江戸末期は$、室町時代はフラン、のわけはない
- これではあまりに芸がないとの政府の方針で縁の字を当てるようになった
- 当たり前のことだが、金が切れても続く縁は腐れ縁以外には存在しない
- 腐れ縁以外の縁が存在するかどうかは、議論の分かれるところである
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97/08/30
● 法則13 同床異夢
- とこでする ことはそんなに多くはない、かなり少ないという学説がある
- ことが進行中であっても、終了後であっても結果は変わらない、違う人間が同じ夢を見れるわけがない
● 法則14 石の上にも三年
- 冷たい石の上に三年も座っていたら痔になってしまう、ことから
- 無害と思われていることもよくよく観察してみると危険がいっぱいだという教え
- 具体例としては、国家・両親・赤の他人といったものが考えられる
- 有害であると主張している宗教・教育・赤の他人との危険度は同等との投書がある
- 現代、はっきり無害と証明されているものは皆無である
- 危険を「におい」として察知できるようになれば一人前である、が察知できても99%は避難できないのが事実である
● 法則15 地獄の沙汰も金次第
- 地獄とは仏教用語で現世のこと、もっとも近いのが刑務所
- 刑務所や国会というルール無用の世界でさえ、最低限の礼儀としての金品が必要であるとの意味
- 敵対関係が強いほど逆に礼儀としての金品の金額が跳ね上がるという相関関係がある
- 金(きん)は非常に安定な物質であるが、金(かね)は驚くほど不安定なものである
- 水は高きから低きに流れ、かねは低きから高きに集まるという物理法則がある
● 法則16 一石二鳥
- 一つの石に二羽の鳥が羽を休めることはできない、ことから
- トップにまで上り詰めることが出来るのはたった一人である、との意味
- 激烈な企業社会を現していると思われているが、もっと広範に当てはまる法則である
- 関門、試験、選択が存在する全ての状況、つまり人間社会一般で成り立つ
- ほとんどの人は、何億ものおたまじゃくしから選ばれて生まれてきた幸運に満足してしまうために、トップまで上り詰めたいという願望を抱かない
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97/09/06
● 法則17 四面楚歌
- 四面とは、前後左右でもなければ東西南北でもない。もちろん古今東西や、右や左のだんな様ではありえない
- 一説には、ラーメン、タンメン、レイメン、ソーメンなどの麺類系を、「飲んだ後の四麺」という人も言うが筆者は懐疑派である
- 飲んだあとにタン麺はしつこいし、夜中ソーメンはどこにも売ってないのがその主な理由である
- 人間はいくつもの顔を持っている、信用はできないの意味
- 「そか」については気にする必要はない、今回は不問とする
- 10年一面といわれ、最高難度のテレビゲームなどとは比較にならないほどの難しさであると言われている
- ただし、クリアーするには歳を取るだけで特別な訓練の必要がないため、未来永劫すたれることはないと言われている
- 誤解されやすいので注意をしておくが、二枚舌は両面だから二枚なのではない。一面で二枚である、ここマーキングすべし
● 法則18 杓子定規
- 「いす」などと読んではいけない、もちろん「のりこ」でも「たえこ」でもない「しゃくし」である
- 「あんた、法律、法律って杓子定規に考えてたらどないもならんでしょ!!」と杓子定規に役所の窓口で怒っている人が多い
- こういう人は役所の仕事を根本的に理解していないと断じざるを得ない
- 「あんた、あんなとこは規則を盾に言いがかりをつける人の隔離施設なんだから」と、これも杓子定規な説明ではある
● 法則19 言わぬがはな
- 口は災いのもと、ともいう。一言多い、とも言う。おしゃべり、などとも言われる
- 「はな」は鼻でないことだけは確かだが花?華?かは問題ではない
- 「ねえ、どうして何も言ってくれないの?言わなければわからないわ」などと、たわけたことを言う輩がいるが
- 「言わなくてもわかるだろう。心で感じろよ」などと、さらなる戯言を言う輩もいるのでおアイコである
- 「言ったらわかっちゃうじゃねえか!!!!!。(言えるわけないじゃないか)」が大人の男の本音である
- 「言わぬは鼻」の誤用だとの説があるが、鼻がしゃべらないことになんの不思議もないことから、この説は無視してよい
● 法則20 終わりよければ全てよし
- とにかく終わりさえよければ、あとはどうでもいい、との説で筆者の好みではない
- 好みから言えば、たとえどんなに不利な状況でも最後のホイッスルが鳴るまでは結論は出せない
- 最悪、終わりをなくしてしまえば(エンドレスに試合を持ち込めば)絶対に負けることはない
- ライバルとの勝負は最後の最後、死ぬ直前までつかない
- といった意味の「終わらなければ全てなし」を推薦したい
- たとえ、このホームページのアクセス数が一日1万件を越えなかろうが、一日10件をきろうが
- 更新が途絶えようが、ホームページが削除されようが、筆者が続けていると考えているうちは勝敗はつかず「全てなし」である
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97/09/13
● 法則21 過ぎたるは及ばざるがごとし
- なにをどうしても、あれをこうしても、それをなにしても
- あれほどの医薬は危険です、ではない。違約は反則です、ではなく
- 意訳は空前絶後です。やりすぎです。ついてゆけません
● 法則22 苦節×年
- 収賄罪で有罪判決が確定されたため入閣が「20年は遅れた」場合などに使われる
- この言葉のいいところは、「苦節」の内容に言及しなくて良いことである
- まさか、二度と賄賂を受け取らないように苦労しました
- もしかしたら、あいつだってやっていると密告しないよう努力しました
- なんて、ことは、ありうべからざることと言わざるをえない
● 法則23 伝家の宝刀
- 昔、むかし伝さんの家の家倉に「でんでんだいこ」という名の「宝刀」があった、らしい
- 「ほうとう」は山梨特産の「ほうとう」ではなく、不良息子の「放蕩」でもない
- このことから、どんなに殺傷能力が高くても実際に使用不可能な武器のことをさして使われる
- 「俺の腰のマグナムが、、、」などとほざいてる輩のマグナムは殺傷能力はさておいて、実際には使用不可能である点は同じである
- 念のため、筆者はそのような物騒なものは持ち合わせてはいない
- たとえ、持っていても空砲であると自信を持って言える
● 法則24 おごる平家は久しからず
- 我が世の春を謳歌し、傍若無人に振る舞っていた「平家」の世も、「源氏」にやがて滅ぼされた
- 民衆からはなれてしまうことが、時の権力にとっていかに有害であるかがわかる
- 「おごる自民は久しからず」と何年もの間言われ続けたがいっこうに滅ばされる気配がない
- 「歴史」から学ぶ教訓を説く教師にとって頭の痛いところである
- このままで行けば教科書を書き換えるか、指導要綱を手直しするか、と心配しているなら
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97/09/20
● 法則25 沈黙は金
- いつも饒舌な政治家が自分に都合の悪い話題になると、急に無言になって
- 「ノーコメントというのがコメントだ」のようにへたな漫談より笑えるジョークをいう
- これらを見るにつけ、いわゆる識者が世を嘆いて使う言葉
● 法則26 大山鳴動ねずみ一匹
- 佐藤孝行・総務長官の入閣・辞任をめぐる10日間のこと
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97/09/27
● 法則27 イエスマン
- ペプシマンはCMで活躍し、( ノo|o)シ{ジョワッ}(ウルトラマン)は秋葉の街に闊歩する
- 傲慢(ごうまん)驕慢(きょうまん)は巷にあふれている
- 変身の合図は「おいっ」でも「こらっ」でもなく「君(きみ)」の一言である
- 不思議にイエスウーマンにお目にかかったことがないのは、女性が大人になりきれないからだろうか
- まさかとは思うが、この世を動かしているのが女性だからだろうか
- たんに「わかりました」という語彙が不足しているだけだろうというのが筆者の推測である
● 法則28 袖 すりあうも ふりあうも多生の縁
- ましてもっといろんなところを触れ合うためには、相当の覚悟と金子がいるとの意味
- 不思議に触れ合いたいという思いは一方通行であることが多い
- さらに不思議に触れるだけでいいという、遠慮がちな思いも法律違反との誤解を受けることがあるので注意が必要である
- 一般にすりあっていいものは、古来より「ごますり」、「あてこすり」の二つと言われている
- 太股が擦れ合ってしまうのは、ひざの隙間から向こうが見えるのと同じくらいの激しい規制を受けていることを、一言付け加えておく
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97/10/18
● 法則29 犬死に
- 政治の世界では死者は何度でも生き返ることが出来るので、こういう考えに帰結した
- 医療の世界では、医療費に歴然とした差があるとのレポートがでている
- 憲法の世界では臓器提供者か否かの差を除けば、特に区別はされない
- 念のために断っておくが、犬の臓器を移植する場合を犬死にというわけではない
- ちなみに、筆者を含む大部分の大人の男はどちらの死もうれしくない
● 法則30 カエルの子はカエル
- 出来の悪い親からは出来の悪いガキしかできない、の丁寧語
- 誤用で誉め言葉で使う輩が後を絶たないが、知ってて使う筆者よりは罪が軽いといえる
- ちなみに「親は出来が悪いのにガキはまあまあだ」の丁寧語が「トンビが鷹をうんだ」で
- 「ヘチャはヘチャなり」の丁寧語が「醜女(しこめ)の深情け」である
- 一般に”丸いすいかも切りようで三角”とも”四角い豆腐は切っても四角”と言われるように
- これらの丁寧語を駆使出来るようになって一人前の男の大人と言える
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97/10/25
● 法則31 前代未聞
- 空前絶後、史上最悪、報復絶倒など物事のインパクトの大きさを現す言葉の一つ
- 一見、絶対的な価値観で語られるような錯覚を与える点では他の言葉と同じ
- 勿論、他と同様実際は相対的価値観でしかないのだが、せいぜい親の代にまでしかさかのぼらなくてよいので気軽に使うことが出来る
- 自分とせいぜい両親が聞いたことさえなければいいので、ほとんど全ての行為、事件、結果を当てはめることが可能である
● 法則32 四角四面
- 二角二面はありえないが三角三面はありえるのではないかとの指摘はあるが、ここでは論じない
- 原理原則という、最強の逃げ口上を用いる人の性格を表してこう言われる
- 実際に原理原則論は性格から使われるものではなく、諸般の事情や状況により使われるものであるので
- したがって三角三面でもなんら問題はない。いっそ多角多面にしてしまえとの暴論さえある
- いずれにしろ、内角の和は三百六十度からそうずれることはないと言われている
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97/11/1
● 法則33 人のふり見て我がふり直せ
- 一般には社会の窓(古い言い方では男性のズボンのチャックのことをこういう)が開いてる人を見たら注意する前に自分の社会の窓が開いていないかを確認せよ、の意味で使われる
- 近年は”人の不利”を見て”自分の不利”を推し量れという建設的な意味に変化しつつある
- 普通言葉はどんどん堕落してしまうと言われているが、その意味では希有(けう)の例でもある
- 貴様や御前はいつのまにか、敵意や軽蔑を込めて使われるようになったことを考えると
- 二十一世紀には、さらに変貌をとげる可能性は否定できない
- 例えば”他人の良くない言動を自分に置き換えて我が身を振り返ってみる”といった極度の堕落も有り得るかもしれない
● 法則34 転ばぬ先の杖
- 転ぶ恐れもないうちから杖を用意する周到さを言うことで
- 現代人は如何に無謀な生き方をしているかを戒めたもの、と言われている
- 実際の人類は”転んでいるのに先のつけ”とばかりに温暖化ガスも年金も次代に残そうとしている
- これは”自分たちがおもしろければいいじゃん”という輩へのズルイ大人たちのささやかな遺産である
- 多分二十一世紀は”転んで滑って先はなし”となるに違いないと密かに期待している
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