コラム: 理科と算数

発明、発見、実験、調査そんな世界を覗いてみようよ、気まぐれコラム

丸いすいかも切りようで三角。どんなに切っても豆腐は四角

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目次

No.11 Windows98なんか意地でも No.12 体の中のコンピューター
No.13 断片化 No.14 電卓6万年分
No.15 恐竜絶滅の原因のいん石の破片 No.16 2000年問題だけじゃなかった
No.17 高齢出産の効用 No.18 史上最高の発明・発見
No.19 パパだってママになれる? No.20 今度のウィルスはちょっとやばい

No.20 今度のウィルスはちょっとやばい

新ウィルスの甘い罠である
米国で最近はやっている新種のコンピューターウィルスのお話である。名前は「メリッサ」
これが猛威を振るっているそうだ。何しろ30日までの5日間で米国の有名企業や州政府のコンピュータ10万台以上が感染した。5日間でである。す・ご・い
このウィルス、メールをやり取りしたことのある相手の名前を発信人に「あなたが欲しがっていたメッセージです」などと書かれているらしい。受信者が「何、何?なんか面白そうだ」なんて思って添付書類を開けたが最後大量のポルノ画像が現れ同時に自分のパソコン内の住所録にある50人に同じ感染メールが転送されてしまう、という恐ろしいものである。さらに他の文書にも感染しメールの送受信が出来なくなってしまう。悪質だ
特に大量のポルノ画像が現れる、という点が、実に悪質だ。本当に悪質だ。何しろ大量なのである。画像なのである。「画質はどんなもんだろう、高画質でなければ許さない」なんてことを考えてしまうくらい悪質である。「あら、あら、あらー」なんてやに下がっただらしない顔をしているうちに多分自分の名前を使われて知り合いの50人にこんな感染メールが転送されてしまうのは、冗談抜きで悪質である。「只で画像をあげるなんてもったいない」なんて不埒なことを思ってしまう程悪質だ
一人から五十人。まさにねずみもびっくり、の増殖である。結局自分で自分を守るしか手がないのが現状だ。仕様がない、まずは安全第一なのである。怪しい文書は即廃棄なのである。上司の名前を語ったと見られるこの文書も、即廃棄だ。こんな理不尽な命令があるわけはない。これも怪しい、即廃棄。こんな中傷されるいわれはない、これも廃棄。じゃ、きっとこれも何かの間違い、勘違い、宛先違い。みんな、みーんなごみ箱行なのである
うーん、さっぱりした。HPを作り始めてから訳の分からない英語のメールが来るようになって困っていたのだが、何を言いたいのか分からないので即、ごみ箱行にしていた。やはりこれで良かったのだ。これからも怪しいメールは全て廃棄にしてしまおう、硬く心に誓う
それにしても、画像だけ開いてウィルスに感染しない手段はないものだろうか、とまたまたいけないことを考えてしまう私なのである

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No.19 パパだってママになれる?

なんとも過激な話しである
何しろ理論的には男でも子どもが産めるという話しである。英国の体外受精の先駆者の一人、ロンドン大のロバート・ウィンストン教授の説である。体外受精した胚を男性の腹腔内に「着床」させる。胎児は胎盤を通じて大腸から栄養分を吸収する。臨月を迎えたら開腹手術をして取り出す
なるほど、出きそうな気もする。もちろん流産を防ぐために大量の女性ホルモンを投与する必要があるが原理的には女性の子宮外妊娠と同じである、と記事にはある。なるほど、なるほど、可能性はありそうだ。実際に大腸に着床して無事出産した子宮外妊娠例もあるそうだ
うーん、すごい時代である。まあ、出来るかどうかとやるかどうかは別問題かもしれないけれど、やっぱすごい時代である。倫理的に問題ありとの指摘ももちろんあるのだが、そんな指摘がでるだけ可能性が高いということ
「母体」、「母子ともに」なんて言葉が性差別だなんて時代が来るのだろうか。来たらどんなことになってしまうのだろうか。最初は私が産んだんだから今度はパパが産んでよ、なんて言われたら世のお父様方はどうしたらいいのだろう。この世に男と生まれたからには一度は子どもを産んでみたいなんて、思ったりするんだろうか。ママーと呼ばれてハーイと返事するパパ。自分でお腹を痛めたことがないから分からないのよ、なんて泣き崩れるパパ。マタニールック姿で通勤するパパ。産休に入りますと宣言するパパ。妊娠中なので喜んでママとのSEXを禁止するパパ。夫婦で妊娠してしまったらどうする。もちろん男性は計画的、女性はうっかりである。お姉ちゃんのママはママ、お兄ちゃんのママはパパ。なんて分けが分からない説明をしなければならないのだろうか
出産だけは女性の特権だと思っていたが、どうやら現代医学は「そんなことはまやかし」だと教えてくれるらしい。特権なんて言葉は性差を語るときには不釣り合いなそんな時代が来ているということだろうか、と考えた次第である

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No.18 史上最高の発明・発見

人類史上最高の発明・発見はなにか?
今そんな論争が欧米の名だたる自然科学者たちの間で行われているそうだ。ニューヨークの作家ジョン・ブロックマン氏が主宰する電子会議室「エッジ」を舞台に活発な議論が続いているらしい。「過去2000年間で最も重要な発明や発見は何か」の問いかけにノーベル賞受賞者を含む100人以上が参加しているとのこと
「印刷技術」はノーベル物理学賞を受賞した米フィリップ・アンダーソン博士ら多くの人が賛同している。特権階級が独占していた知識を大衆に広めた功績が評価されているらしい。「時の経過を数量化した」との理由で「時計」をあげる人、「家族構造や女性の役割を一変させた」で「避妊用ピル」を選ぶ人、「核分裂や抗生物質など、ほかの発明と違い、悪用、乱用の恐れがない」ので「モーツァルト」を押す人とそれぞれである。有力な候補としては「地動説」「民主主義」「宗教」「数学」「微積分」なんてものがあげられている
変わったところでは「消しゴム」や「老眼鏡」なんてものもある。それぞれにはちゃんとした理由があるからふざけているのではないようだ。例えば「視力のよい年齢層が世界を支配するのを防いだ」が「老眼鏡」の推薦理由
論争はインターネット(http://www.edge.org/)に公開されているので興味のある方はアクセスしてみてはいかかでしょうか。さて、私なら何を推薦するだろうと考えてまず頭に浮かんだのが「酒」。おお、これはいい、これがなければ自殺の数は今の何百倍もの多さになるだろう。若者の半分が失恋のショックから立ち直れないだろう。これが推薦理由だ。人生は素面で生きるには辛すぎる、これを副題につけておこう。しかし下戸の方には申し訳ない気もする。そこで次に考えたのは「ポケット」これなしでは小銭をどう処理すればいいのかが分からない。例えば小銭を入れるための小銭入れを用意しなければならない。なおかつその小銭入れを入れるための鞄まで用意しなければいけないのである。ちょっとそこのコンビニに行くのに鞄持参では大変なのである。どうだ、これは。これはいいと自画自賛してみたのだが、これも女性からの賛意は得にくいとの意見があったためにボツ。そこで次に考えたのは「爪切り」これ無しでは爪を切るのに爪切り用のはさみを用意しなければならない。しかも足用と手用とである。そうしても右利きの私なら右手の爪の処理 が難儀である。独り者は右手の爪が切れないなんてことにもなりかねない。不器用な人は爪を切るつもりが肉まで切ったなんて事故も多発しそうである。そんなことを考えみたのだが、馬鹿馬鹿しいのこれ以上は考えることを止めた。無限地獄に陥りそうだもの
この記事が出た日の夕刊の「素粒子」にはこうあった
酒? 翌朝、その最悪さが身にしみる。印刷技術? ハイハイ、おかげでこんな拙文を読まされる。民主主義?どこにもまだないのに
HP? ヘヘン、そのためにどれほど多くの人々がアクセスの少なさに泣いていることか
と考えた次第である

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No.17 高齢出産の効用

高齢出産をするショウジョウバエの話である
米カリフォルニア大学アーバイン校のマイケル・ローズ博士の研究の話である。高齢になってから卵を産み始める雌の子孫の中からさらに高齢で卵を産み始める雌を選び出し、さらにその子孫の中からと次々に繁殖させていったところ、なんと平均33日のショウジョウバエの寿命が43日に延びたのである。乾燥や飢え、化学薬品などへの抵抗力があることも分かった。凄い!高齢出産で寿命が延びるのだ
「老化」は生物がその進化の歴史を通じて獲得してきた性質なのか?に答えを出そうとしている、と記事にはある。長い時間をかけた「進化」の過程で生物の間に広がった性質は、その生物に有利なことが多いのに、老化は有利な性質には見えない。それでも生物は老化する。何故だ?
老化が生殖期を過ぎた後に出る現象であることも進化学者を悩ませてきた。例えば跡継ぎを生んだ後、十分な食料を子孫に残すために親は老化して消えるという説があったりするそうだ。その他幾つかの仮説があるようだがどれも根本の疑問に答えてはいないらしい。
知らなかった! 老化は生殖期を過ぎた後に出る現象であったのか。そうすると年を取ったと感じる筆者などは、一体どうなるのだ。生殖期を過ぎてしまったということか。もう、お役御免ということだろうか。ろくにお役にも立たないうちにエンドマークなのであろうか。そんな余りに悲しすぎるではないか、ないか、ないか。いかん、取り乱してしまった。話を元の戻そう
遅い生殖をする固体の選別を重ねた結果長寿という結果が導かれたのだから、長寿になったショウジョウバエの遺伝子を詳しく調べていけばその秘密、正体を突き止められるはずだ、と博士は考えている。なるほど、分かりやすいぞ。科学もこのように分かりやすいとうれしいのだ。
普通のショウジョウバエと一体どのへんが違うのか、それが問題なのである。これはいけそうな気がする。いいとこついているような気がする。長寿の人って、遺伝子の、ここの、この辺がなんか違うのよね。そう言えるのはそう遠い未来ではないような気もする。頑張って欲しいものだ。でもこの記事を読んで一つだけ気になったことがある。寿命が延びたのはオスもメスもなのだろうか。まさかメスだけってことはないよね、ローズ博士。これ以上女性に長生きされても、ねえ。どうか男性にも救いの手を差し伸べてほしいのである
つまり現代の晩婚傾向は種としての長寿に対応したDNAの選択なんだ、と考えていいものなのかどうか。今の私には判断できないのである

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No.16 2000年問題だけじゃなかった

問題は2000年問題である。
例えば私たちが西暦で表す時普通にやっている上位二桁の省略、つまり今年は98年です、というやつである。コンピュータのプログラムでも同様なことをやっている場合があってこの場合2000年になると00になってしまい、まずいことが起こることがある。コンピュータの世界では人間世界と違ってあやふやなことは許されず、00って何?とコンピュータが悩んでしまうのである。大変だ、大変だとこの2,3年随分色々なところで話題になっているが日本の対応は未だ不十分だと言われている。実際には何が起きるか良く分からない、というよりは何が起きてもおかしくないわけである。起きてからでは遅いので注意をするようにというわけだ実際アメリカのレジスターでカードの使用期限が2000年になっていたためにレジスターが使用できなくなったこともあるそうだ。つまりこれが2000年問題である。一般には2000年1月1日に症状が起きると言われている
それだけでも「ワチャー」なのに、実はそれ以外にもこの種の問題は多々あるのだそうだ。一例が1999年問題である。1999年の1月1日になると症状がでるらしい。つまり99という数字に特殊な意味を持たせているプログラムが存在しているのだ。いわく「データ終了」であり「永久保存」であったりする
同じような考え方から9999に特別な意味を持たせていれば99年9月9日に症状が出るわけである。88年8月8日はどうなんだ、77年7月7日だってまずいだろと言われても、、、
普通88とか77とかに特別な意味を持たせようとはしないものだと思いますが。スリーセブンは特別じゃないのか、って言われても、ねえ。88は末広がりだって言われても、ねえ。コンピュータの世界の話ですので、まあそこのところは、ねえ。米国では99年の99日目、4月9日も危険日として指摘されている
「なんてこったい」とポパイなら頭を抱えることだろう。この手の問題を洗い出してみると99年の8月22日『GPSの日付管理が桁あふれ』を起こし危険であるってことも分かった。GPSの日付管理は1980年1月6日午前零時を基準に週単位で行っている。そして管理のための記憶領域が10ビットつまり2の10乗分しかないのだ。えらいこっちゃ。かくして数えられる週の数はわずか1024週となる。約20年で最初、0000に戻ってしまうのだ。えらいこっちゃ。
これがどんだけえらいこっちゃかと言うとパイオニアが96年12月までに製造したカーナビ約27万台がこの日以降まったく機能しなくなるというから凄い。この為にパイオニアは対策用ICの無償修理を実施中で約10万台が修理済みであるとのこと。これは結局有限の記憶領域で無限の時間を管理しようということに対する矛盾対策がなかったということであるわなあ、と身勝手な感想。全てのシステムはこの矛盾に対して措置を取らなければならないというのが手前勝手な評論。
他にも同様の指摘がなされており2038年1月19日『UNIXの日付管理が桁あふれ』を起こすそうだ。Cで書かれている一部のソフトが動かない危険がある。
まだ在る。2079年1月1日『マイクロソフト・エクセル95が使用不能』。
2100年1月1日『MS-DOSのファイル管理システムFAT16が使用不能』。
これらは代表的なもので実際にはもっともっと危険日があると記事にある
これは相当にえらいこっちゃなのである、と早合点する必要はないだろう。いくらなんでも2079年のエクセル95なんて心配のし過ぎだと思うもの。ねえ、そう思いません

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No.15 恐竜絶滅の原因のいん石の破片

6千5百万年前に地球にぶつかり恐竜の絶滅につながったとされる巨大いん石の破片が見つかった。米カリフォルニア大ロサンジェルス校のフランク・カイト博士が19日付けの英科学誌ネイチャーに発表した
「巨大いん石激突説」はメキシコ・ユカタン半島にある巨大クレーターの存在や地層成分などから指摘されてきた。今回は北太平洋海底の掘削で集められた試料の中の直径2.5ミリほどの破片である。白亜紀と第三紀との境目に当たる約6千5百万年前の地層(KT境界)で見つかった
なるほど、なるほど。見つかったのか。KT境界!?。なるほど、なるほど。記事を続けよう
この破片には地球には少ないイリジウムが多く含まれていることも分かった
なるほど、なるほど。イリジウム!?。なるほど、なるほど。分かったのか
記事はこのあと尻切れとんぼで終わっている。だから、なぜこれが巨大いん石の破片だと分かったのか、の肝腎のところがスッポリと抜けている。いん石はいつだって降り注いでいるのではないだろうか?別に6千5百万年前の地層からいん石のかけらが見つかったからと言ってなんの証拠になるのだろう、などと思ってはいけません。何しろネイチャーです。ネクターではありません。あのネイチャーです。アートではありません。科学誌のネイチャーです
しかし、いくなんでもこれでは説明不足でしょう。せめて、破片が超巨大であるとかなら納得も出来るのだが何しろ2.5ミリですからねえ。ユカタン半島で見つかったのならいいのですが北太平洋の海底とあるだけではつながっているのかいないのかも判然としません
釈然としないのでインターネットでちょっと調べてみたら、こんな記事が見つかった。場所は恐竜博情館へようこそである。おお、この記事を読むとちょっと納得するぞ。成分分析からこの破片が彗星ではなく、巨大な小惑星のかけらあることが濃厚であること。そうか、彗星じゃないんだ(どこがどう違うかまでは説明がないので分からないのだが)。場所はユカタン半島から西に9000キロ離れた日本とハワイの中間付近の海底であること等こっちの方がより具体的ではないですか。リンクも張ってあってBBCニュースで破片のカラー写真も見れる。
うーん、BBCである。横文字である。舶来である。それだけではない。こちらはCNNである。いん石が地球にぶつかっているイラストまである。迫力である。記事の内容は見たこともない文字が並んでいるだけなので解読が不可能であったが、たにやら自信たっぷりであることは感じ取れた。なにしろ舶来である。ついでにいん石も舶来と呼んでもいいのだろうか、などと馬鹿なことを考えた。情けない
ここまで来るとなんか信じたくなってきたぞ。いや、信じなくちゃいけないような気がしてきたぞ。こいつはただもんじゃないって感じがするじゃないか
やはり押さえるべきはつぼである。核心の情報をインパクト強く出されてしまうとあがらえきれないものがある。こんなに簡単に信じていいのだろうかという気持ちと同じぐらい続報が楽しみだと思った次第である

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No.14 電卓6万年分

一秒間に3兆9千億回の演算が可能である
「ブルー・パシフィック」である。アメリカが誇る世界最速のスーパーコンピューターである。米エネルギー省管轄のローレンス・リバモア研究所とIBMが共同開発した
とにかくなんか無茶苦茶な速さであるようだ。お披露目式典に臨んだリチャ−ドソン・エネルギー長官は「われわれは(コンピューターの世界における)音速を打ち破った。米国は今後も加速を続ける」と語ったぐらいである。どうです、みなさん音速ですよ、音速。
なんかちっとも早そうじゃない
そんな不埒な輩に技術の優秀性を分かりやすく諭すために、同じ事を電卓でやったら6万3千年もかかるとおっしゃっている。ホワイトハウスがである。家が喋るとは「はて、面妖な」などと愚かなことを考えてはいけない。音速のコンピューターを作るくらいなのだ、喋る家ぐらいどうってことはあるまい
とかく数字が天文学的になってしまうためにこの手の話題は日常感覚からそれこそ天文学的に遊離してしまう。そこでごくごく身近なものと対比させることで現実感を呼び覚まそうとしたりする。例の「甲子園球場の何倍」とか「重ねると地球を何周」とかである。煙草の横に部品を置いたりすることも良くある。しかしついに、ここに究極の「電卓で6万3千年」である。
しかし、電卓と比較するのはどうなんでしょう。音速といい電卓といい「意余って言葉足りず」のような気がします。この場合は言葉は足りているのだが違っているということでしょうか
早い話が私のようなひねくれもんは、結局電卓63000X365X24X60X60台そろえれば同じなわけね、などと思ってしまう。もちろん何台になるか計算する気にもなりませんし、そもそもオペレータを同じ数だけそろえなければなりませんので実現不可能なことです。残念ですねえ
言葉はまだまだ続きます。現在の平均的なコンピューターの約1万5千倍の処理速度。記憶容量で約8万倍。2千万冊以上を誇る米議会図書館の本を全て収めることが出来るのだ。どうだ、まいったか。降参か、ヘヘーである
とにかく力が入っていることだけは十分に伝わってくる。相当だぞと思わざるを得ない
この計算機を使って医療技術の向上、温暖化等の気候変動や未臨海核実験の検証を行うという。これはこれで大変なことだ。あまり力が入ると碌なことがないので使用上の注意を十分に読んだ上で慎重に扱ってもらいたいと思う
アメリカの加速はこれからも続くのだろう。なにしろ次のチャンスのために「光速を越えた」名誉をちゃんと残してある。21世紀用である。その時、どのような対比をするのだろうか
まさか、電卓を例には持ち出さないとは思うがちょっと期待なんかもしたりしている次第である。「電卓で計算すればどの程度かかるかは、この新しいコンピューターで計算してみないと分からないぐらい長い時間がかかります」なんてね

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No.13 断片化

金曜の夜のことである
運悪く会社の空調が故障したのが昼過ぎである。室温は30度に達していた。むっとするようなけだるい空気の中でのレポート書である
実は2週間ほどかかって書き上げたレポートをコンピュータのほんの気まぐれで破壊されてしまったばかりであった。もちろんバックアップもない。復旧も出来ないという最悪のパターンである。以前HPのファイルを全て誤って消去した時以来の仕打ちを受けたわけである
それにこりて、どうも調子がおかしかったOSを再インストールした。もちろんWindows95である。何しろ残りのディスク容量が200MBを切っているのであるから、致し方ない。まあそんな状況であったわけです
7時過ぎにあまりの暑さに根を上げ本日の業務は終了しました、と自己アナウンスを行いパソコンを終了させようとしたところ、何やらワーニングが出ているわけです。なになに、、、
「断片化」「はなはだしい」…
ふーむ、どうやらOSの再インストールとかの一連の作業のついでにいくつかのソフトをバージョンアップしたりしたのだが、そのときに容量が足りないとか言われて、あれやこれや、なんたらかんたら、やったりしたことが悪かったのかもしれない。はなはだしい、なんて言われたら恐ろしくなってしまったわけです。そこでハードディスクの最適化とかいうプログラムを走らせたのです。以前一回だけやったことがあり、まあ一時間もすれば終わるだろうと軽い気持ちで
なにやらプログラムが走り始め何かを調べているらしい。まあ、私のディスクのあら捜しをしているわけで、そのうち「こりゃ、ひどい」とプログラムに判断された次第で。御説ごもっともとばかりに「エイヤッ」と最適化を開始させたわけです。走っている、走っている。頑張れ、頑張れと最初は気楽に応援していたのですが、フォルダーの最適化も終わりディスクの最適化が始まったらその遅いこと遅いこと。私のレポート書も相当なものだが、お主もそうとうだのー、と言わざるを得ないわけです。まさに遅遅として進まない、母として落ち着かない。つまりわけがわからないほどの遅さなのです。こりゃ、止まってるんじゃないかとマップとか言われる画面を凝視してみると、一応小さな点があっちにいったりこっちに来りしているわけで、ディスクもウンウン唸ってるわけで、止まってはいないようだってわけで書きかけ途中のレポートを読んでいたわけです
しばらくしてモニター画面に目をやれば「最適化54%」とあるわけです。あれっ、あれれのれっ。さっきは確か74%だったはずだぞ。間違いはない。止まってるんじゃないかと心配で数字が変わるのをじーーと息を殺して見守っていたんだから。どういうこっちゃ
数字が小さくなるなんてことがあるのだろうか? 30度を超える暑さの中気を失いそうになってしまったわけです。時刻はすでに1時間半ほど、、、1時間半、、、1時間半、、、1時間半と呪文を三度唱えてから大きく深呼吸。慌てるな、まだ時間はある。もう一度数字を確認しよう。「最適化55%」よかった、止まってはいなかった。って、そんなことで喜んではいられない。それからはよそ見をせずにモニターを監視しつづけたわけです。そして、どうやらこの点の集まりが、上側は緑に下側に茶色を再配置しようとしているということがおぼろげながらわかってきたわけです。ただ、分かっただけのことで何の進展もないわけですが、分からないよりはいいじゃないですか。って喜んでいたら、なんだってんだ! またフォルダーの最適化が始まってしまった。おい、おい、おいおいおいおい。最適化はまだ50%台だぞ
そうなんです。このプログラムある程度最適化が進むと、またフォルダーの最適化からはじめなおすんです。多分、いっぺんに最後までいけないんで、ちょっとやって考えて、さらにやって考えて、もっとやって息整えてってやって行くんでしょうね。人間みたいでいいやつじゃないですか。ほんと!! でももう11時なんだけど。帰りたいんだけど。もう回り誰もいないんだけど。覚悟を決めて、プログラムを終了し、も一度走らせてどの程度最適化が終わってるのか見てみたら「連続性は74%」と言われたわけです。あれだけやって74%、、、あれだけやって74%、、、あれだけやって74%、と呪いの言葉を三度呟いてパソコンの電源を落としたわけです
そうです、はなはだしく断片化されたのは私なのです
後日、再挑戦した。一時間で最適化が終了した。再度、断片化されてしまった私。行ったり来りは、なんのことはない異常行為であったということだ。トホホのホ

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No.12 体の中のコンピューター

英国レディング大学のケビン・ウォリック教授が自らの体内に電子チップを埋め込んだ
こんな記事が目に止まった
何でも動作や安全性を確かめるための実験で電磁コイルとチップが入った長さ23ミリ、直径3ミリのガラス製カプセルを外科手術で腕に埋め込んだそうだ
コンピューターのチップというから極微少の、小型部品を想像していた私にはちょっと驚きだ。結構でかい。まあ、電磁コイルの大きさから決まったのかもしれないが。電磁コイルは外部との送受信用といったところだろうか、確か近づけるだけで内容を読み取る非接触式カードも同様な機構を持っていたと思う。ICの動作用パワーを外部から供給してもらうことも可能になるのかもしれない
21世紀は目前だ。ついに究極の個人IDが登場する下地が出来てきたわけだ。何しろ体の中にコンピュータが埋め込まれてしまうのだ。嫌だといっても、駄目なのだ。何しろ、赤ん坊の時に、知らないうちに埋め込まれてしまうのだ。どうしようもないのだ。きっとそうなるのだ。何しろ世の中は、そうなって欲しくないほうに行きたがるものだから。
でも、そうなったら
このチップの為に、どこにいようと、どこへいこうと、隠れることが出来なくなるのだ。もちろん、会社をサボることは出来なくなる。何しろ、見張られているのだ。体調がすぐれない、なんて言い訳は通用しない。風をひきましたなんてのもすぐばれる。会社をさぼれないだけではない。会社でもさぼれない。コンピュータが何時だって監視しているのだから。
異様に長いトイレや尋常でない一服はもはや白日のもとにさらされることが運命付けられたのだ。何しろ、体の中にコンピュータが入っているのだ
でも管理する側から見りゃ、こりゃ便利だってんでそこらじゅうの方々がチップを埋め込もうとするわけだ。赤ん坊の時埋め込まれたやつは国の管理下に置かれているので、好き勝手に企業が手出しを出来ない。何しろ目的が国民総納税制である。もちろん学校管理でも有効活用されるだろうし、治安にも威力を発揮するだろうが、あくまでお国のためである
そこで、入社するためにはその会社のチップを埋め込まなければならない。そんな風になるよ。その代わり面倒くさい入退出のチェックは自動だ。残業計算ももちろん必要無くなる。査定だって機械が分け隔て無くやってくれる。そうなりゃ組合も黙ってない。組合員用のチップだってことになる。われもわれもってことになる。
そこらじゅうが自分の所のチップだってことになる。うちのチップを埋め込めばお得ですよなんてことになる。会員制倶楽部なら、ちょっとリッチにゴールドのチップだ。保険に入る為には保険チップ、保険料が割引される。ホテルのチップも使い出があるかもしれない。
銀行からお金を借りるためには銀行チップ。これは利息の催促が出来るように電気刺激を与えることが出来るようになっている特殊チップだ。巷では「空手チップ」と呼ばれたりするかもしれない。この刺激がたまらないといった、いけない人たちの存在が社会問題になるかもしれない、ならないかもしれない。責任は持てない
人によっては、右腕だけではチップを埋め込めなくなって左腕、さらに右足、左足、耳だ、鼻だ、胸だと現代のピアスも真っ青の状態になるに違いない。そう、ここまで来ればファッションだ。やったもん勝ちだ。一体誰に勝ちたいのかは知らないが、勝てば気持ちが高揚するから、それはそれでいいのだ
こう考えてくると、今と一体何が違うのだろう。何枚ものカードを持ち歩く現代の病人たちと。結局人間は21世紀になってもちっとも賢くならないということだと一人で合点した次第である

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No.11 Windows98なんか意地でも

Windows98に関するご質問にお答えします。
31日夕刊に載ったMicrosoftの一面広告である
なんでも95を超える売り上げだそうで、発売前の予想は完全に裏切られたわけだ。MS(Microsoftのことをこういうそうだ)嫌いにとってはなんとも面白くないことに違いない
しかし問題はこの広告だ
Q&Aの形をとって98へのアップグレードの注意点をまとめたつもりらしい。しかしQ「私のパソコンでWindows98は動きますか?」への答えがA「セットアップをはじめる前に、いまお使いのパソコンがWindoew98に対応しているか、ご確認ください」とはなんじゃ!!
こりゃMS、ええ加減にせいよ。対応しているか解るくらいなら質問なんかするか、ぼけ!!
そもそもセットアップする前ではなくお買いになる前にだろ、ぼけ!!
買った後で使えるかどうか調べろとは、そりゃ、あなた、あまりに御無体な
こんな無神経な広告を出すから世のMS批判がなくならないのだ。これでは会社の体質に問題があると言われてもしょうがない。この答えをさらに読んで行くと益々頭が痛くなってくる。動作確認情報は各社のホームページで確認せにゃならんし、メーカによっては個別にアップデートソフトウェアが必要になるかもしらんし、それを事前に入手せにゃならんそうだ。
先に言えよ、MS。これじゃやっぱり「Windoes98をお買いになる前に」の広告が必要だ
しかし、いちいち腹を立てていても埒があかない。次にいこう。Q「セットアップがうまくいかないのですが、何が原因なのでしょう?」への答えは主なものをリストアップしたのだろう5個もある。いや、5個しかない。A「ハードウェアメーカーからのアップデートウェアを説明書どおりにインストールしてください」言われんでもやるわ、出来るやつは自分で、と文句を言いたくなるのをぐっと堪えて次に行く。
A「ハードディスクの空き容量を十分に確保してください」何々、300Mバイト程度確保しなくちゃいけないのね(ちなみに私のパソコンは200Mバイトぐらいしか空き容量がない)。足らなかったらアンインストールを行えだと、無事にセットアップが出来ても他に何も出来なくなってしまってもかまわんというのか、と言いたくなるのをさらにぐっと堪えて次に行ってみよう。面倒臭いので一気に最後の答えに飛ばさせてもらう
A「プロダクトキーは正確に入力してください」
怒りがおさまらないままに説明を読めばセットアップの途中で25桁の英数字を入力しなければいけないようだ。「8とB」、「QとO」、「CとG」、「VとU」には特に注意が必要だと書いてある
そう書いてあるのだからしょうがない。しょうがないが、そもそも25桁もの英数字が本当に必要なのか。もちろん不法コピー対策とか分からないでもないが、そもそも広告に出すぐらいなのだから、打ち間違いはかなりあるのだろう。そして、それは予測されていたのだろう。それでも何も手を打たないんだなぁ、事前には何も、MSさんよ
ふざけるなと言いたい。少なくとも「Iと1」「0とO」をお忘れですか。いや、言いたいのはそんなことではない。常駐プログラムを終了させろだとかスクリーンセーバーと節電機能は使用しないでとか、どれほどの人がこれらの事柄を理解するのだろう。少なくと理解する人はこの広告を見る必要が無い人たちではないだろうか
常駐プログラム、なんじゃそりゃ?
おお、いつもこの端っこに鎮座しておるやつか、でもワシャこんなもの頼んだ覚えはないぞ。そもそもこんなもの一回も使ったことがない。何をするためのものだ?
買った時からそこにおったんじゃ。何も悪さをしないようなので、捨て置いたが悪さをするかもしれないから、終了させろち言われても、させ方がわからん。
これが大多数の人の話なんじゃないだろうか。
うっかりアップデートしたら、データが壊れることがあるような物騒なものをシロウトにやらせようというのはきっと大掛かりなアメリカの陰謀に違いない、とでも思わなければこの横暴さには耐えられない。
アンインストールとバックアップが正しく出来て300Mバイトの空き容量があって、事前にハードウェアメーカーからのアップデートウェアを取り寄せておいて、さらに25桁の英数字の打ち込み練習をこなしてからでなければ私にはとてもWindows98はセットアップできないと考えた次第である

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