11月23日(日)

November 23th (Sun), タンペレ通信に戻る( Back to Index)

(床屋にいくぞ II)

 来フィン後、ずっとほったらかしにしていた髪をようやく切った。アパートの隣り、国際ミーティングプレイスのある建物に床屋さんがあり、家内は何度も整髪に行っていたのだが、日曜日はお休みだし、予約が必要なので、なかなか行く機会を掴めないでいた。半年も床屋に行かないと、さすがに髪がじゃまになる。ようやく、家内に予約してもらって出かけた。家内から話しは聞いていたが、フィンランドの床屋さんは(他の床屋には行っていないので、断定するのは早計かもしれないが)カットだけ、所要時間20分、なぜか学生割引?が効いて家内よりも安価な55マルッカ(約1400円)ですんだ。こんなに手軽ならもっと早く来ておくべきだったと思った。
 日本の床屋さんのような充実した設備はなく、簡単な椅子(当然、背持たれの角度が変わるような仕組はない)と鏡、天井からコードが伸びた電動バリカンが1つあるだけ、あとは、ハサミとくしに数種類のスプレー缶があるだけである。床屋の亭主は、「英語は話せない。フィンランドの子供達は小学校で英語を学ぶから英語も話すが、大人は学校で学ばなかったから話せない。」というようなことを言っていた。ボクシングが趣味(たぶん、「ボクシングはうまいんだぞ。」と言っていたように思う)だという亭主は、確かにスポーツマンの体型で、この地では多いビア樽型とは縁遠い。鏡の横に貼られた写真付きの新聞記事を誇らしげに紹介してくれた。

(アイスリンク)

 11月も後半になり、ようやく気温が下がってきた。ふと周りを見渡すと、森の中の木々が白くなっている。白樺などは、幹だけでなく葉っぱの落ちた小枝まで、木全体が真っ白。霧氷というのだろうか、不思議な光景である。お日さまの光りの中でみたら、さぞ幻想的で美しいことだろう。
 天気予報でも、フィンランド南部の気温予想はマイナスに定着してきた(最低気温と最高気温の差は2〜3℃しかなく、最高気温がようやくマイナスになってきた)。火曜日の晩には、グランド(の北側に2面のホッケーリンク用の柵が作ってあるのだが、その中と周辺)で水まきをしていることを智が発見した。翌水曜日からは、朝7時からグランドの照明が点灯(このところ朝食の時間は、完全に真っ暗、大学に付く頃、南の空が赤っぽくなり、校舎が浮き上がって見える。明るくなるのは8時過ぎくらいだと思う。)、水まきをしている様子。照明に反射して、氷面がキラキラ光るのが食室からも見える(我が家は3階、日本流だと4階なので、グランドは良く見える)。水まき作業は夕方にも行われ、午後10時まで照明がついていた。

  
   (グランド)          (水まき)          (アイスリンクだ)

 土曜日にグランドを見に行くと、まかれた水が凍ってアイスリンクになっており、おじさんが今日もホースで水をまいていた。水まき作業は土曜日の夜、日曜日の朝も続けられ、いよいよ、アイスリンクが完成した。午後から早速家族4人で出かけ、キルップトリで買い集めたスケートで初スケート(智は今シーズン初めてではないが)を楽しんだ。素子は生まて初めて、家内と私も数年前に一度経験があるだけで、ほとんど初心者である。二人とも滑ってころんで痛いめを見た。午後3時半からは照明も点灯、ナイタースケートとなった。氷上でアイスホッケーの練習が始まる日も近い。一時は完全に融けてしまっていたアハヴェニス湖の氷も、鴨の集まっている西側の一角を除いて完全に復活した。
 しかし、は11月2日以来、お日さまを拝んでいない。水曜日の昼頃、一時、日がさしたようだが、校舎の陰になって見えず、後から見に行こうと思っているうちに雲の中に隠れてしまった。フィンランドの天気予報は簡単である。気象データを見なくても「曇り」と言っておけば、まず、はずれない。「所によっては、一時雨か雪」などと加えようものなら完璧である。自然と天気予報を見ているときの注意は、天気ではなく、気温に向かうことになる。フィンランドの冬は暗いと言うが、昼の時間が短いだけでなく、その昼間も曇っていて、太陽が顔を出さないことが大きいのではないかと思う。11月を、Marraskuu と呼ぶのには納得させられるものがある。お日さまに会いたい(が、しばらく無理だろうな〜)。

  
(湖の再々凍結)          (鴨)          (散歩)  

(日本のおじちゃま)

 二週間程前の話しになるが、日本から飯澤さんが訪ねて下さった。もちろん、我が家が主な訪問先ではない。仕事の関係でタンペレにお越しになり、ちょうど週末が空いたと訪ねて下さった。子供達は大喜びである。ヘルシンキ再訪以来、みどりさん母子と両親以外の日本人には会っていないのだから。智のホッケー開幕第二戦も観戦していただいたし、我が家では、子供達がとっておきのボードゲーム(我が野の定番は、人生ゲーム平成版、ちなみに、対智戦の父ちゃんの戦績は1勝4敗のペース、なぜか、人生最大のカケで逆転されることが多い)をいくつも引っ張り出して来て、相手をしてもらった。飯沢さん、今度はスケートをしに、来てくださいね。


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