店主の読書日記 FEB2004 タイトルリスト 作家別リスト

2004/2/29

 荒川弘原画展、行って来ました。(だから鋼ネタは書かないとどの口が)

 丸善津田沼店はどうせ実家への途中だし、入場無料だし。内心、先月アニメイトでやったイベントで見た原稿と同じかな〜、と予想してたら……。

 行ってよかったよ!

 はじめて見る(コミックス派なので)カラー原画が山盛り! 荒川センセイは厚塗りの人らしく(カラー画材のメインはリキテックス)、そういうのって原画でみなければ質感がわからないんですね。
 ところで、丸善といえば本屋さん。当然、会場には関連書籍が置いてある。今回は、関連書籍を購入すると荒川弘特製メッセージシートなるものがいただける。(手書きメッセージをコピーしただけだけどさ)
 欲しい。
 欲しいけど……今さら何を買えばいいんだよ……。コミックスもパーフェクトガイドも持ってるよ。……と、思ったら、荒川弘イラスト集『Fullmetal alchemist』が置いてあった。
 発売は3月だと思っていたのに得した感じ。無事、オマケももらえた。
 しかし、あの紙、主人公がカケラも出てないんですけど(笑)。いや、「夜露屍苦!」と挨拶する特攻服の大佐も素敵ですけどね。

 会場周辺に貼ってあった告知ポスターもなかなか素敵だった。白黒で1枚に1キャラクター、ラフ画にセリフがレイアウトしてあるというもの。貼り終わったらもらえないか聞いてみたら、回収して返却するとか。
 しかし、しかしですね。可能性は低いんですが、もらえる方法がなくもない。会場で「報告書」なるタイトルの紙に原画展の感想と荒川先生へのメッセージを書いた人に抽選で当たるのだ。
 ……描きました。
 閉店まで15分くらいだったので、大至急で書いて(A4の半分って埋めがいある……)応募ボックスへ。
 しまった! 店員さんに手渡しかと思って年齢をごまかさずに書いちゃったよ。ボックスに入れるなら16とか書いときゃよかったぜ。(←きっと神の鉄槌が下る)


2004/2/27

 1月は年始で月初が休み。祝日1日あり。
 2月はもともと短い上に28、29が土日。祝日1日あり。

 以上のことを踏まえて↓をお読みください。






 でも、仕事量はいっしょ。

 ……魂、すり切れるかと思った……。


2004/2/25

 とりあえず、24日の日記はもう自粛。
 ディズニーと1、2を争うくらい小学館は版権に厳しいし(笑)。


2004/2/23

 打ち合わせで銀座に出たついでにハガレンのDVD3巻を予約。(もう鋼ネタは書かないといったのはどの口だ)

「タイトルは何ですか?」
と、店員さんに聞かれる。
 今までの経験で、ヘタに恥ずかしがってボソボソ喋ると何度も繰り返すことになって余計に恥ずかしいということを学んでいたので、知っているデータをきっちりと言った。
「『鋼の錬金術師』DVD第3巻、3月発売です」
「はい、『鋼の錬金術師』ですね、少々お待ちください!」
 店員さんは元気よく、接客マナーもきっちりと復唱する。
 いや、いいから! 後ろにならんでいる人に丸聞こえだから!
 商品コードを調べて伝票を書いてくれ、私の方に紙を向けて
「では、DVD『鋼の錬金術師』Vol.3、ご予約あずかりました! ありがとうございます」
と、もう一度、復唱。
 ああああ(恥)。
 うわあ、後ろ(というか横)の人がこっち見た〜っ。見ていた新作チラシから顔を上げ、興味深そうに見ている。店員さんに知られるだけでも恥ずかしいのに!
 ああ、そうさ! 土曜の夕方からやってるアニメだよ!
 しかもVol.3ってことは1も2も買ってるんだよ。笑いたければ笑うがいいさ!
 ばかやろー、もうこんな店来るもんかーっ! どんがらがっしゃーん。
 ……などということはなく、予約票をきっちり折りたたんで「よろしくお願いします」と去っていく常識人の私であった。

 実はこの巻収録分からキッチリ見たので別に買わなくてもいいのだが、オマケのコミカル30秒予告「裏鋼」が聞きたいのだ。(だんだん予告編じゃなくなってる気がするが)
 大佐の活躍が気になる。裏鋼ではホントに主役は焔の錬金術師だわ。

「いや〜、そんなんじゃないっスよ。仕事仕事」


2004/2/22

 アニメ・十二国記が終わってしまった。
 最後の『西の滄海・東の海神』は短い上に難しくて、小さなオトモダチが理解できたか心配。(大きなおともだちの私にも難しかった)
 アニメは小説みたいに各自が自分の理解スピードにあわせられないのが難しい原因かも。セリフを増やしたり、実例を入れたりという演出をすればいいのになー。子供に「堤を切るってなあに?」と聞かれた母親が説明するとか。
 ともあれ、地上波になってから割と見ていた数少ないTV番組なのに残念。

 ……と、思ったが、今日の「金色のガッシュ!!」を見て思った。
 似てるじゃん。
 主人公が「やさしい王様」を目指してがんばっているところも同じだし、麒麟と王の関係は魔物と人間の関係ととても似ている。お互いに補足しないと戦えない(王位につけない)ところなんかそっくりだ。
 ガッシュの方が魔物の数が多い(スタートは100人)だけあってペアの数も多いけど、中には

「お前とは気が合わんようだな」
「そのようです」((c)小野不由美)

という、緊張感のあるワンペアもいるに違いない。
 とりあえず、私はフォルゴレ&キャンチョメのペアが好き。フォルゴレって尚隆みたいだよな。


2004/2/21

 『アルケミスト―夢を旅した少年』(パウロ・コエーリョ、山川紘矢・山川亜希子訳/角川文庫)読了。
 ……。
 いえ、違います。『鋼の錬金術師』をよりディープに理解するために読んだんじゃありません。ありませんたら。

 著者のパウロ・コエーリョはブラジル人。原文はポルトガル語で書かれ、その後、世界中で翻訳されてベストセラーとなった。
 物語は、アンダルシアの羊飼いサンチャゴの旅の話。サンチャゴは夢で見たピラミッドの宝を探すため旅に出、長い旅の末に砂漠で彼が会うのがアルケミスト(錬金術師)。
 数多くの批評で『星の王子さま』と比較されたという通り、大人向けのファンタジーだ。暗喩と人生の教訓に満ちている。

 ただ、こういう話はキリスト教(それもカトリック)の人にとっては大いに目新しいのだが、仏教徒にとっては「何を今さら」感も強い。
 少年が悟る「すべてはひとつ」というのも仏教の死生観だとしごくしっくり来る。逆にこれが評価されるというなら、多くの日本人にとってもう仏教はなじみのあるものではなくなってきているのだろう。

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2004/2/20

 『鋼の錬金術師』(英語だとFullmetal Alchemist)。少年ガンガンに連載中の、14歳のちっさい(といわれると怒る豆つぶチビ)錬金術師エドワード・エルリックが活躍する大人気マンガです。
 TBS系でアニメも放映しているので、ご存知の方も多いでしょう。
 私も日記で何度もネタにしています。
 最近、ハガレンネタを書いていませんが、別に飽きたとか、嫌いになったわけじゃないんです。ええ、そうじゃないんです。

 たとえば、スーパーに行った時のお話をしましょう。
 お菓子のところで「江戸のお菓子コーナー」というPOPを「エドのお菓子コーナー?」と、さらりと脳内変換してしまうのはいいとして(よかない)、お茶のペットボトルの前に行った時の行動は自分でもいかがなものか。
 サントリーから新発売のまんてん畑。西郷輝彦が「お茶なんだけど〜♪チャッチャッチャ」とCMしてるやつです。

 14種類の穀物と豆・野菜を、穀物7:3豆・野菜の割合でブレンドしたあたらしいブレンド茶です。(サントリーHP・製品情報より)

 なるほど。体によさそうです。
 そして、今、新発売の販促で、1本に1個おまけががついてます。ボトルの首にひっかけるパッケージで、「野菜・豆のメタルチャーム全6種」。

 野菜・豆のメタルチャーム。
 野菜・豆のメタルチャーム。

 うわあ、ソソる!
 ……とかいって、ペットボトルの棚の「豆」を探してごそごそやってるワタクシ。はっきりいって、おバカさんです。
 いけません。こんなのを読んで楽しいのは、私と同程度にハマっている人だけです。(うっうっ) いくら日記ったって、公開して読んでもらっているのですからごく一部しか楽しめないというのは問題です。

 そんなわけで、鋼ネタは控えるほうにしているのです。
 欲求不満にならないかって?
 大丈夫!
 鋼オンリーの日記を作ったし!(←もう末期)


2004/2/19

 社員証の更新があった。
 デザイン的な統一と、磁気情報の更新のためなのだとか。いずれにしろ、セキュリティのためで会社にいる時は常時身につけなければいけない。

 総務に引き取りにいって見たら、前と同じ写真を使っている。これはたしか、5年くらい前に撮影したものだ。
 新しい社員証の有効期限を見た。
 ……。
 に……にせんじゅうよねん!?
 2014年たら10年後っすよ! そんなに私の若さとビボウ(←ツッコミどころ)に期待していいのか!?
 つーか、オレら、実物の首の下にこれをぶら下げるんですぜ。
 警備員さんに呼び止められたりしないのか!? 「他人のラスターを使ってますね」って。
 その時に流れる気まずい沈黙……まで想像してしまって、ちょっとイヤ。


2004/2/18

 と、いうわけで『超・偉人伝――カリスマたちは激しいのがお好き』(福田和也/新潮文庫)。
 えー、実はちょっと前から、田中角栄を再評価する頃なんじゃないかなー、と、思いはじめた。(ニクソンが再評価されてるしさあ)
 そのくせ、彼の功績をよく知っているわけでもないので、さくっとまとめてある本を探してたらコレがみつかった。
 こちらも『オバはん編集長でもわかる世界のオキテ』と同じく、著者がオバはんに歴史上の有名人を説明するという形式。なんだか益々オバはんがパワーアップしている気がするが、結構なことである。いや、元気でヨロシイ。
 オバはんの興味の赴くままのラインナップなそうなので、ナポレオンやナイチンゲールなどの偉人伝の常連から金正日までという幅のあるラインナップ。その中に田中角栄が入っているのも微笑ましい。

 勉強になったのは、ナイチンゲール。
 前にある翻訳小説にちらりとナイチンゲールが出てきたのだが、それが「白衣の天使♪」というキャラクターとは大きくかけ離れていたのだ。今回、この本で伝記とも違う姿が語られていて、納得した。
 そうか、ナイチンゲールが看護よりは政治と宣伝に優れていたというなら、あのキャラに間違いはない。

 人間は複雑だから、文庫の何ページかで語り尽くせるものではないが、さっくりとわかるためには面白い本だと思う。要は全部を鵜呑みにしないで、興味を引かれたら他の文献を当たるなりすればいいのだ。
 パリの空港の名前にもなっているシャルル・ドゴールなんか、この本の批評で改めて興味を引かれたりしたし。

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2004/2/17

 同じ著者の『超・偉人伝』を読み始めたが、「ちょっと待て、これは前の本を読んだ方がレビューしやすいぞ」、思ったので『オバはん編集長でもわかる世界のオキテ』(福田和也/新潮文庫)を読んでみた。
 表紙イメージに写っているのが、オバはん編集長こと「新潮45」の名物編集長・中瀬ゆかりさん。

 文庫裏表紙を見ると

 ODAを「オダ」と読み、野村証券の窓口氏に「ダウちょうだい!」とのたまった編集長から個人教授の呼び出しがかかった―。想像を絶する無教養ぶりに、福田センセイも大苦戦!途中からサル似デスクやコギャル編集者も生徒に加わり、脱線気味の講義はつづく…。アフガン攻撃のホントの理由や中国の怖さ、日本国憲法に秘められたウラの意図まで、世界のヘソを一冊で総まくりする爆笑講義。

 と、あるが、本当にそんなに物知らずなのか!?
 とりあえず、非常に低次元に初心者でもわかりやすく(←古田新太が自分の劇団のポリシーをこう言ってた)世界情勢を説明してくれるという親切な本。雑誌掲載を読んだ人なら知りたい時に知りたいことがこんなにわかりやすく書いているので感動したに違いない。
 NHKこどもニュースもわかりやすいが、やっぱり「NHK」「子供向け」のシバリがある。アフガン問題については、気持ちよく他国への批判が書いてあるのでこっちの方が断然わかりやすかった。(下品な話題にも言及できるしね)
 ただし、時事ものなので、賞味期限は見極めが大切。

 ものをよく知ったご隠居が近所にいない時代、こういうニーズって実は結構あるんだろうなあ。

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2004/2/16

 えー、会社とか親から「電話引け、電話引け」といわれていたので、引っ越して1年半目にして、やっと電話を引きました。
 電話機は買ってないけどPCはあるので、とりあえずネットから繋げる。(なんか違う)

 プロバイダ契約の時に、「IP電話をつけた契約の方が安いですよ」とNTTコミニケーションズの人がいうので一緒に契約。(同じOCNの人、タダで電話しましょうぜ!)  NTTコミニケーションズ、今IP電話開通記念キャンペーンというのをやっているらしい。予告もなく電話番号入り名詞を私の名前で作って郵送してきた。その1枚をお見せしよう。



 第2の人生!
 申し込みは本名でしてるのに!
 確か生年月日も記入したのに!
 どわはははは〜。人によっては殴りこんでくるぞ、NTT!(笑)

 私はネタとしてありがたく使わせていただきます。
 ついでに、サイトのプロフィールの欄を訂正しておこう。
 昭和19年生まれ。
 性別・男。
 第2の人生を楽しむためにHPを開設……で、これからはヨロシク。


2004/2/15

I am Sam  ケーブルで『I am Sam/アイ・アム・サム』を見る。
 公開の時に妹に割引券をもらったので、ストーリーは一応知っていた。

 知的障害があり自閉症気味でもあるサム(ショーン・ペン)は、自分の娘ルーシー・ダイアモンド(ダコタ・ファニング)を生まれたばかりの時から一人で懸命に育ててきた。しかし、成長するルーシーはサムの知的能力を追い抜いてしまうことに悩み、勉強を拒否する。小さないさかいが原因でサムは養育能力がないと判断され、ルーシーは施設に入れられてしまう。
 愛するルーシーと一緒に暮らすために、サムはエリート弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)に依頼。裁判で戦うのだが……。

 と、いった物語。
 「子供とハンディキャップを扱った泣かせる映画」と、思って見に行かなかったのだが、考えが浅かった。
 もちろん、ルーシーとサムの親子愛は美しく、だーだー泣いてしまうのだが、私としては弁護士のリタが隠れ主役のような気がする。

 実は私、往年の名作『クレイマー・クレイマー』を昨年になって見た。
 メリル・ストリープの妻が「自分の人生を見つけたい」と言って、子供を夫(ダスティ・ホフマン)のところに残して突然出て行ってしまうのだ。
 仕事ひとすじだった夫は当然家事もできず、大変な苦労をしながら子育てに慣れて行く。そして、やっと子供とうまく行くようになった時、妻は親権を取るために裁判を起こして……といったストーリーで、原題は"Kramer VS Kramer"。(Mr.クレイマー対Ms.クレイマーの裁判という意味)

 父親と子供、裁判とくれば、これはもう確信犯でしょう。脚本も書いている監督のジェシー・ネルソンは女性だし。

 『クレイマー・クレイマー』が公開されたのは1979年。アメリカの専業主婦が滅びの道を歩み始めた年だった。
 女性の自立結構、社会進出だって素晴らしい。国から見たって、税金倍増だ。素晴らしい。
 でも、その時から女性は家ではいい妻であり母であり、会社では優秀な社員であり、社交の時は素晴らしいホステスでなければならないという非常な要求をされるようになった。女性自身も、素晴らしい女性を思い描いて一人何役も頑張る。毎日ずーっと頑張るのはそりゃあ疲れる。でも、仕方ない。あの日、メリル・ストリープは人生を探しに出て行っちゃったんだもの。
 サムの弁護をするリタも仕事で成功していて、豪邸に済み、夫と子供を持っている。

 そんなリタがサムの前でだらだら泣くシーンがある。
 それまでリタはやたら怒っていた。
 自分の子供はブアイソだし、サムの友達は証人としてはちっとも役立たずだし、サムは質疑応答を練習しても覚えないし。
 落ち込んだサムは
「君みたいにできないよ、完璧リタ」
と、いう。
 サムのひとことに、彼女の中でぶちっと切れた音がした気がする。
「アタシなんて夫に浮気されて子供に嫌われて仕事仲間からもハブんちょなんだから! ガタガタ言ってんじゃねえぞ、このボケがあっ!」
……と、こんな下品なものいいはしませんが(笑)。
 サムはルーシーに熱烈愛され、友達にも愛されている。同じ子供のいる親としてリタが自分と比べないわけがない。自分がすべてに失敗したダメ人間だと思えて、リタは泣く。

 人は完璧なものを素晴らしいと思う一方で、完璧でないものを愛する。
 すべてに完璧でなくても大丈夫と悟ったリタは、後半、そりゃあ楽そうだ。
 この映画がちょうど21世紀に入った年に作られたことを考えると面白い。自分の人生を探しに行ったクレイマーは、20年が過ぎてようやっと家に帰って来たのだろうか。

『I am Sam/アイ・アム・サム』 I am Sam(2001年、アメリカ)188分
監督・脚本:ジェシー・ネルソン、音楽:ジョン・パウエル
CAST:ショーン・ペン 、ミシェル・ファイファー 、ダコタ・ファニング 、ダイアン・ウィースト 、ローラ・ダーン


2004/2/13

 なんか私、今週やたらジャンプジャンプ書いてますね。

 週刊ダイヤモンドを読んでいたら(ごめん、ここを読んでる人がめくったこともないようなオヤジ雑誌で)、ジャスコの後任人事についての記事が書いてあった。
 今の社長は前社長の息子で、トップに就任した時には「世襲!」とすごく攻撃されたらしい。で、その社長が後任について発表した。今後グループから優秀な人材を100人リストアップして、その人間を半年ごとに360度からチェックして20人絞り、その中からさらに次期社長を選ぶというもの。
 最終的に決まるまで10年かかるらしいが、私はこれを読んだ時、
「天下一武道会だ!」
と、思ったものだった。
 これから、年代的にジャンプを読んで育った世代がトップになるのだろう。少年ジャンプのコンテンツを現実に応用しているわけではないだろうが、社会が厳しくなって「生き残り」ということを考えた時にマブタの裏にかつてのマイ・ヒーローが見えたりして。
 そういえば、漫画家にとって9週連載打ち切りシステムという、厳しい掟を採用していたのもジャンプだ。
 これからの経済の仕組みがジャンプ化したら、『消えた漫画家』じゃないけどジャンプの功罪を追及しちゃうなあ。


2004/2/12

 ものすごくハリポタ人気 にあやかってそうなアンソロジー、『魔法使いになる14の方法』(ピーター・ヘイニング編、大友香奈子訳/創元推理文庫)。
  「魔法」と「学校」をテーマ……というのだから間違いないが、そんな単純な印象だけで読むとすごく裏切られる。
 テーマから想像する「子供が元気にがんばる物語」というものはあまりなくて、全体の印象は「『魔法』と『学校』がテーマのホラー・アンソロジーといったオモムキ。ハリポタしかファンタジーを読んでない読者が読んだら、「嘘つき!」と叫びそう。
 しかし、ラインナップはとても豪華で、ローリングにせまる人気ファンタジー作家のダイアナ・ウィン・ジョーンズをはじめ、エイキン、ネズビットと、ファンタジーにあまり詳しくない私でも知っている名前が並ぶ。ブラッドベリ、ウィンダムというSFを書くの大作家までいるのだから、もしかしててアンソロジストは結構人が悪いのか?  (東京創元社から出てるあたりで、クセがあると予想しなかった私が悪いんだろうけれど(笑))
 ホラーもSFも読む人が何気なく読んだら、満足しそうな1冊だ。ファンタジーはハリポタ以外もあるんだぜ、と、ピーター・ヘイニングさんがニヤリとしてそう。

『魔法使いになる14の方法』
ドゥ・ララ教授と二ペンスの魔法(E.ネズビット)/学校奇譚(マンリー・ウェイド・ウェルマン)/悪魔の校長(ジリアン・クロス)/ワルプルギスの夜(ハンフリー・カーペンター)/暗黒のオリバー(ラッセル・ホーバン)/さがしものの神様(ジョーン・エイキン)/ダブラーズ(ウィリアム・ハーヴィー)/飛行術入門(ジャクリーン・ウィルソン)/中国からきた卵(ジョン・ウィンダム)/お願い(ロアルド・ダール)/見えない少年(レイ・ブラッドベリ)/わたしはドリー(ウィリアム.F.ノーラン)/なにか読むものを(フィリップ・プルマン)/キャロル・オニールの百番目の夢(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)

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2004/2/11

 最近、布団と仲良しどころか、布団と蜜月、布団とジュテームモナムールな日々を過ごしていたワタクシ。原因は医者から処方された薬で、これを飲むとこんこんといくらでも眠り続けられるのだった。薬が切れたので久しぶりに何も飲まないで寝たら、午後の2時起床という最近稀に見る早い時間に目が覚めた。(←だんだん人としての常識が)

パトリオット  起きて、軽く朝食を食べて(既に昼食にも遅いというツッコミはなしだ)、ケーブルで『パトリオット』を見る。
 アメリカ独立戦争を舞台としたコロンビア映画史上最高の製作費で作成された超大作。さぞかしアメリカ至上精神に満ち満ち溢れた作品かと思ったら、ちょっと違う。

 主人公のベンジャミン・マーチン(メル・ギブソン)は、妻の残した6人の子供を育てているお父さん。その頃、イギリスの重税にあえいでいた植民地アメリカは英国派と愛国派(パトリオット)と中立派にわかれていた。彼はフレンチ・インディアン戦争の英雄だったが、今はひっそりと自給自足の生活をしている。
 18歳の長男ガブリエルは理想に燃え、独立軍にに志願する。ガブリエルが従軍して2年たち、ベンジャミンの家のそばで英国軍と植民地軍の戦闘が起きる。負傷した長男をかくまい、屋敷で傷ついた両軍の兵士を看護しているところに現れたのがイギリス軍のタビントン大佐(ジェイソン・アイザックス)。冷酷なタビントンは、負傷した独立軍兵士を銃殺させ、ガブリエルを処刑しようとする。兄を助けようと飛び出した次男トマスは、タビントンに射たれ……。

 と、ここで、お父さんが立ち上がる。
 要は少年ジャンプのドラマなのだ。ギリギリまで我慢した主人公の大爆発。映画では、メル・ギブソンのお父さんが長男を救うために、1人で(小さい息子2人が少し手助けするが)20人の英国兵をやっつけてしまう。まさに、ジャンプのスーパーヒーロー状態。
 しかし、少年マンガな物語に2時間44分はちょっと長い。
 アメリカの精神(自由・平等)もお義理に語られるのみだ。

 ただ、ちょっと想像してみよう。
 300億円かけて『北斗の拳』実写版をハリウッドで作るとしたらどうなるだろう。
 たぶん、30億円分くらいはたっぷりおもしろいはず。この映画もそんな感じ。
 イギリス軍がこれほど悪役に描かれて英国からクレームはつかないのだろうか、と、少し心配になったりするが、爽快な勧善懲悪を描くとしたら、絶対的な悪が必要なのだろう。
 おもしろいのは「愛国派」の主人公メル・ギブソンがオーストラリア人なこと。(そして、監督はドイツ人)
 それを思うと、そんなに嫌味な映画でもなかったりして。

『パトリオット』The Patriot (2000年、アメリカ)164分
監督:ローランド・エメリッヒ、脚本:ロバート・ロダット、撮影:カレブ・デシャネル、音楽:ジョン・ウィリアムス
CAST:メル・ギブソン 、ヒース・レジャー 、ジョエリー・リチャードソン 、ジェイソン・アイザックス 、クリス・クーパー 、チェッキー・カリョ 、ルネ・オーベルジョノ 、リサ・ブレナー 、トム・ウィルキンソン 、レオン リッピ 、アダム・ボールドウィン 、グレゴリー・スミス 、トレバ・モーガン


2004/2/10

 書こうかどうかちょっと迷ったんだけど、セレモニーに行って来ました。

 何回か教えてもらったことのあるダンスの先生が亡くなったのは年末のこと。新年に入ってご逝去をうかがってびっくりした。56歳、まだまだ若い。
 最後にお目にかかったのは12/20。その時は全然お元気で、「23日にステージがあるから来てね」とチラシをもらったほど。会場が遠かったので行かなかったのだけど、そのステージはちゃんと踊って、28日にもステージがあったのでそれも踊って、その後に具合が悪くなって亡くなったそうなのだ。

 ハタチのクラスメイト(あ、これから誕生日か。まだ10代だったわ、ワカモノめ)が
「これくらいだと『動いた〜』って気がしますよね」
と、嬉しそうに言ってたのを思い出す。
 確かに、身体能力のギリギリを求められるレッスンだったなあ、と、思う。
 ついでにその場で振り付けて、「さあ踊れ〜」という感じ(←普通)だったので、記憶力もフル活動だった。
 でもね。人間アベレージのちょいと上くらいをがんばってやるのがいいのかもしれない。どっかでスカっと抜けるところがあって、高く遠く速くなる身体を自覚できるのはとっても気持ちがいい。

 人が亡くなった時には色々なことを考えるけれど、今回は特に色々考えた。
 亡くなるには若い。でも、踊る寿命としては、あと何年かだったのだろうと思う。
 踊る人にとっては、踊れなくなってから亡くなるより現役のまま逝けた方が幸せなのだろうか。
 行かなかった23日のステージは、もう見れない。たとえば先生がご存命であっても、踊ることをやめなくてはいけなくなっていたら、やっぱり見れない。
 厳密にいうとキャストが同じだって、同じ舞台は2度とない。
 なんだかそういう一瞬一瞬で消えていく夢のようなものとイノチについて考えてしまうのだった。

 日野聖巳先生のご冥福をお祈りします。


2004/2/9

 えー、本屋で小学生の男の子にすすめられて以来(私にすすめたわけじゃないけどさ)、気になっていた『金色のガッシュ!!』を読んでみた。
 ……おもしろいっ!
 彼が『NARUTO』よりおもしろいよ、と言ってた理由がよくわかった。
 ガッシュは少年サンデー掲載なのだけど、ナルトよりジャンプっぽいドラマなんだな。ジャンプが少年誌のトップを取っていた時代、テーマの3本柱は「努力」「友情」「冒険」だったわけだけど、この基本にとても忠実。
 しかも、ダブル主人公の清麿とガッシュの関係がとてもいい。

 頭がよすぎるために学校で浮いている清麿。同級生になじめない清麿は「あんな低レベルのやつら」と強がっている。
 そんな清麿の家に赤い本を持った不思議な少年ガッシュがやって来た。ガッシュは、「清麿を鍛えなおすためにやってきた!」というのだが……。

 と、いうのが物語のはじまり。
 学校についてきたガッシュは、友達作りのために清麿に「正義の味方作戦」を提案する。清麿はうっとおしいガッシュを遠ざけるために、同級生からカツアゲをする不良の元に送り込んでしまう。「あいつは口から電撃が出せるから大丈夫だよな」と考えて。(ええ、出るんですよ、電撃が)
 ちょっと気にかかった清麿が屋上で見たのは、ボコボコにされたガッシュの姿。ガッシュを痛めつける不良がいう。

 あいつなんか……永遠に学校なんか来なくていいんだよ!
 来てほしいと思っている奴なんか誰もいねえんだよ!

 ガッシュはボロボロになりながら、いう。

 だまれ! おまえに清麿の何がわかる!? (中略)
 おまえのように誰かを傷つけたか!?
 おまえみたいに弱い者から金を奪ったか!?
 学校に来なくていいのは、おまえの方だ! でくの坊!!
 これ以上私の友達を侮辱してみろ!!
 おまえのその口、切りさいてくれるぞ!

 たぶん、誰だって、どんな時にも味方でいてくれる友達がほしいのだ。家族じゃなくて、それでも信じてくれる「友達」という他人が。
 だから清麿はボロボロになりながらもガッシュと戦うし、ガッシュと一緒にいることでどんどんと変わっていく。
 ついでにギャグもスピード感があってナイス。
 先日見た『レッツゴー!忍法帖』のパンフにいのうえひでのりが

 やっぱり<笑い>って<若さ>。言い換えれば<精神の肉体性>とすごく連動してると思うワケです。

 と、書いていたのに、大きくうなずいてしまう。
 やっぱり、「スピード感のある」「今の」「笑い」というのは、若い才能からのみ出てくるもんなんですね。もちろん、老練な笑いの猛者というのはいるわけだけど、やっぱり「笑い」は「若さ」。
 そんなわけで小学生の君の意見は大賛成だ。(って、こんなところは絶対見てないだろけど)
 友情があって、冒険があって、笑いがあって、と、つくづくエンターテイメントな一作。
 うがった見方としては、本と魔物と人間のバトルの仕組みという設定がうまくて唸っちゃうんだけど、それよりも読者として単純に楽しいと思う。
 結構、物語的には少年マンガの方が好きみたいっすね、ワタシ。
 ついでに笑っちゃうくらい熱いものが好きみたいだ。自分でもびっくりだけど(笑)。

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2004/2/8

 えー、思わず早起きしてみた休日の朝のアニメが面白かったので、「他のも面白いのかも」と思って早起き……はできないので録画してみた。(←腰抜け)
 と、いうことで、『ロード・オブ・ザ・リング』は録画しないくせに、たぶん視聴率が1/5くらいの(←もうちょっとあるかも)『カレイドスター』を録画するワタクシ。しかし、この前『明日のナージャ』を初めて見たのが最終回の前の回。気がつくの、遅すぎ。『カレイドスター』も44話終わってるから、そろそろ終わりだろうなー。ちょっと飛び出し遅いな〜。
 まあいいや。気を取り直して内容紹介。

 主人公はカレイドステージというサーカス(と、いっちゃいかんのか?)のスターを夢見る萌木野そらという16歳の女の子。登場人物が多くていまいち把握しきれないが、割とわかりりやすいので予備知識なくても入れるところがいいところ。

 私が見た回は「ポリスのすごいプロポーズ」の回。
 いかつい顔の警官ボリスが30歳の誕生日に幼馴染のケイトにプロポーズしようとする。しかし、そらとケイトが立ち寄った銀行に銀行強盗が入って……と、ありがちなエピソードが微笑ましい。
 この強盗、人生に悲観してて
「オレは人生何もうまく行かないんだー!」
と、ヤケで銀行に押し入ったのだが、そらが見せたステージに感動してあっさり改心してしまう。「銀行でなぜ空中ブランコができるのか」とか、「天井まで5mはあるぞ」とか、ツッコみどころは満載だが、ここで怒ってはいけない。だって、これが放映されているのは土曜日の朝9時なんだもの!
 去りぎわに強盗がボリスに言う。
「オレは自分で出て行くよ。あんたが逮捕しなきゃいけないのはオレじゃない」
 そして、ボリスは勇気を奮って、ケイトにプロポーズする。
「ケイト、君を一生逮捕する」。
 ……。
 …………いや、もうわかっててやってるスタッフが素敵です(笑)。


2004/2/7

 金曜日は普通に寝たのに、起きたら午後の1時半だった。ちょっとミルクをあっためて薬を飲んで, もう一度寝て起きたら9時。
 最近、1日4時間くらいしか稼動してないや。人生、あっという間に終わりそう。

 私が営業なら『デザート探偵登場!』とタイトルを……って、ちょっと前に
似たようなこと書いてましたね。
 『チョコチップ・クッキーは見ていた』(ジョアン・フルーク、上条ひろみ訳/ヴィレッジブックス)、先週のどこかで読了。
 でも、こちらはタイトルの付け方と装丁が凝ってるので、このままで全然OK。やっぱりソニーは売り方がウマイなあ(笑)。

 主人公のハンナはレイク・エデンという田舎町でイートインのあるクッキー・ショップを経営するシングル女性。
 結婚結婚とうるさい母親のことを除けば、愛猫のモシェとの2人暮らしをエンジョイしている。そこに起こった殺人事件。義弟である保安官助手に捜査を手伝うと約束してしまったことから、ハンナは素人探偵として事件の解決に奮闘する。

 と、いった物語。
 途中に作品に出てくるクッキーのレシピがあるあたり、どこかで見たような気もするが……まあいいや。
 クッキー・ショップというのがアメリカらしい。日本でいえばせんべい屋だろうか。(店舗に喫茶がある「○○煎餅」というのは結構ある) そういえば、ぜんべい屋が主人公の小説もあったっけ。(ミステリじゃないけど)

 とにかく厚みの割にさらーっと読めるのがいいところ。
 これも『死体あります』と同じコージーミステリなので、あまり真面目に読んでしまうと却って損だ。
 今回はシリーズ1作目として、メインのキャラクターの紹介編といった感じ。「このキャラクター、なんのために出てきたんだろう」と、思っても怒ったら損なのも同じ(笑)。

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2004/2/6

 新感線の『レッツゴー!忍法帖』を見る。
 今日はスタッフが少なくてなかなか時間通りにあがれなかった……のは仕方ないとして、遠すぎるよ、サンシャイン劇場!
 サンシャインシティに着いて、そこからまだ10分かかるとは思わないじゃありませんか。
 と、いうことでタツノコプロによるのオープニングアニメは見れず。くっそう。
 ついでに劇場について文句をもうひとついうと、2階席が遠すぎ。舞台からじゃなくて、入り口が。延々と階段上らないと着けないところは、まるで富士山登山のようじゃったよ。(階段の途中にいる時に火災にあったら、イノチはないかもしれない)

 舞台は、相変わらずのばかばかしーい内容なんだけど(それに7,500円払ってるわけだけど)、パロディてんこ盛りでかなり大変。ガッチリもれなく笑うには、演劇や他の知識が必要だ。
 今回、ちょっと笑いきれなかったのは、私のお笑いスキルの低さだろうか。
 もうちょいスピード感というかドライブ感があってもいいかなって思ったり。

レッツゴー!忍法帖 劇団☆新感線『レッツゴー!忍法帖』東京公演:サンシャイン劇場 2004年1月22日〜2月22日
作・演出:いのうえひでのり
CAST:
猿飛のサダ(さるとびのさだ):安部サダ
風魔ゴジロー(ふうまごじろー):橋本じゅん
傀儡八幡(くぐつはちまん):インディ高橋
入谷蔵之進(いりやくらのしん):入江雅人
静姫(しずかひめ):馬渕英里何

おやや/まんぐす姫(まんぐすひめ):高田聖子
秋葉弾正(あきばだんじょう):粟根まこと
みずち姫(みずちひめ):杉本恵美

無敵闇童子(むてきやみどうじ):河野まさと
烏魔右近(からすまうこん):右近健一
招鬼黒猫(まねきくろねこ):山本カナコ
怒鳴吐入道(どなるどにゅうどう):山田メタル
不動魔愚南無(ふどうまぐなむ):タイソン高屋
鋼鉄ふぐり丸(こうてつふぐりまる):逆木圭一郎
十六夜無明之介(いざよいむみょうのすけ):川原正嗣

地獄おろち丸(じごくおろちまる):古田新太

赤猿のじょうじ(あかましらのじょうじ):こぐれ修
川うそのうそ平(かわうそのうそへい):礒野慎吾
森の小南坊(もりのこなんぼう):前田 悟
風谷のウマシカ(かざたにのうましか):中谷さとみ

霧隠才子(きりがくれさいこ):保坂エマ
ばってん不知火(ばってんしらぬい):池田成志


2004/2/5

 えー、風邪を引いて寝込んでいるうちに月が変わってました。

 こんなことになるんじゃないかという、漠然とした不安はあったが、今日は試験だ。
 大事な試験前に風邪なんか引いちゃって私のばかばかばかばか……とモノローグを続けたくなるようなナイスタイミング。これで、試験会場に行く途中に転んでシャープの芯と鉛筆を全部折って泣いているところに隣のクラスの前々からちょっといいなと思っている男の子が現われてサワヤカな笑顔と共に鉛筆を渡してくれれば完璧だ。当たり前だが、そんなことは起こらなかったが。(そもそも隣のクラスがないじゃんか)
 しかも、弊社からは今まで受験して合格率100%だと聞いていたので舐めてかかっていたら、結構難しくてびっくりだ。うわー、合格ラインに届いてなさそうだな〜。
 栄えある第一号不合格者になるのか、オレ!

 踏んだり蹴ったりな冬の一日が過ぎていく……。



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