2004/3/1
久しぶりにSFを読み始めたのだけど、なかなかSFの頭にならない。
SF筋というのがあるとしたら、かなり衰えた感じだ。
100P読むのに1週間くらいかかってるあたり、なんて低鱈苦(←当て字)。
読了記(第一変換「毒猟奇」。……うっうっ)が書けないので、苦し紛れで映画感想でも。
『アザーズ』。
(**今回は思いっきりネタバレするので、これから見る予定の方はスルーして下さい)
第2次世界大戦中、英国ジャージー諸島の古い邸宅に子供と2人で住むグレース(ニコール・キッドマン)。そこに訪ねてきたのがミセス・ミルズ(フィオヌラ・フラナガン)と庭師のミスター・タトルとリディアという3人。リディアは口がきけないし、ミセス・ミルズはいわくがありそう。3人は使用人として屋敷に来たのだが、3人が来てからグレースに次々と不思議なことが起こり始める……。
と、いった物語。
まあ、今回はネタバレ感想なので、物語紹介は余計なことだったかも。
後半、この3人の正体がわかるところの演出がうまい。こういうゴッシック・ホラーには品格が必要だが、そういう演出がよく出ていたのがこの部分。
あと、光アレルギーの子供達という設定もうまい。
だから、ドアは絶対閉めなければいけないし、カーテンも必ずきっちり引いておかなければならない。親子は暗い館に閉じこもらなくてはいけなくて、母親はそんな毎日に疲れてヒステリックになる……と、設定のキモですね、ここ。
若い母親役のニコール・キッドマンも、昔風の髪型とファッションが文句なく美しい。
そして、カーテンが引かれて光がさんさんと降ってくるシーンを恐ろしく見せるなんて、演出の妙だろう。
ただ、こちらはネタがわかって見たし後に見たしで不公平なのだけど、私は『シックス・センス』の方が好きだなあ。
たぶん、『シックス・センス』はミステリの手法で書いてあって、『アザーズ』はホラーの手法なんだろうと思う。『シックス・センス』のラストには探偵が最後に謎解きをするめくるめく快感があるのだ。
『アザーズ』にはゴシック・ホラーの香気があるので、これは好き好きかもしれない。
やっぱり、私はミステリ好きということで。
蛇足だが、レビューサイトを見て笑ったのが、
オスメント君が子供役をやったらもっと恐かったかも
と、いうもの。そうかもねえ(笑)。
『アザーズ』The Others(2001年、アメリカ)
監督・脚本・音楽:アレハンドロ・アメナーバル、エグゼクティブ・プロデューサー:トム・クルーズ、撮影:ハビエル・アギーレサロベ、美術:ベンジャミン・フェルナンデス、衣装:ソニア・グランデ
ニコール・キッドマン(グレース)、フィオヌラ・フラナガン(ミセス・ミルズ)、クリストファー・エクルストン(チャールズ)、アラキナ・マン(アン)、ジェームズ・ベントレー(ニコラス)、エリック・サイクス(ミスター・タトル)、エレーン・キャシディ(リディア)