さて、今回の宿はリベルダージのニッケイ・パラセ。日系ホテルでは一番のホテルです。ホドビアリアには朝の5時に着いたので、ちょっと時間をつぶして6時ごろリベルダージにいったんですが、駅前では真っ白な服に身をかためた年配の日系人達が続々と集まっていて、フォークダンスをしていました。さすがの僕もびっくりして写真を撮りましたが、これはブラジル人も同じみたいでテレビGLOBOの取材を受けてましたね。
それを横目に見ながらリベルダージの坂道を下っていたら、前から大声で歌いながらやってくるブラジル人女性の一団がやってきます。店々のシャッターもまだ閉まっているような早朝の町を、酔っ払って歩いている彼女達はオールナイトと歌っていたのかもしれません。
やがて彼女達が近づいてきてビックリ。歌っているのは喜納昌吉の「花」でした。しかも完璧な日本語。日系人でもない彼女達がなぜ「花」を合唱しながら歩いていたんでしょう。謎が謎を呼ぶリベルダージです。
サッカー、ブラジルは無残な負け方をしちゃいましたね。ワールドカップ予選でのパラグアイ、チリ戦での敗戦、そして今回の南アフリカ、カメルーン戦の敗戦によって、ブラジルはもう「特別なチーム」ではなくなり、「普通の強いチーム」になりました。うわさになっているルシェンブルゴ監督の解任説ですが今のところCBF(ブラジルサッカー協会)が否定しているようですが、巷ではクルゼイロ監督のフェリポンが有力視されています。
このほかルシェンブルゴには選手時代の年齢詐称疑惑(こちらは時効ですが)、や監督就任前の不透明な資金の動き、以前の秘書との裁判闘争などキナ臭い匂いが漂っています。もしかすると「ダーティー」というレッテルを貼られて舞台から引きずり下ろされるのかもしれません。
ブラジルセレソンはこの後しばらく大変な時代を迎えそうですが、2002年を目の前にして、その傲慢な鼻っ柱がへし折られたということで、初心に返ってやり直すかもしれません。そっちの方が日本を応援する僕としてはもっと怖いんですが、しばらくはブラジルサッカー界を眺めていくことにしましょう。
その他今日は金メダル候補のひとつといわれていた女子ビーチバレーの決勝が行われましたが、残念ながらオーストラリアのペアに敗れてまたしても銀メダル。これで銀3つということになりましたが、なかなか手が届かない金メダル。最後の望みは男子ビーチバレー、男女バレーボール、テニスのグーガですね。
ところで日本は景気がいいみたいですね。一昔前までは日本選手というと練習や予選では調子がいいものの、本番はガチガチになって失敗するというイメージでしたが、今回見ているとそれぞれ普段以上の力を出しているみたいですね。このあたり、「本番に弱い」旧世代の僕から見ると「最近の人はすごいなぁ」と素直に感心してしまいます。
また、男子よりも女子のほうがいいみたいですね。ただ、これにははっきりした理由があるんじゃないでしょうか。
どこの国でもスポーツでまず最初に強化されるのは男子選手です。これはブラジルでも同じで、男子のメダルのほうが遥かに多いです。そんななか、お金に余裕がある一部の先進国だけが女子選手を強化しているので、どうしても女子の競技では先進国選手が活躍するんだと思いますがいかがでしょう。
日本では候補者の看板をつけて、大音量で支援をお願いする車がたくさん走っていますが、これはブラジルも同じ。日本よりも多いような気がします。というのは普通の車に候補者の名前が書いてあるから。今まではレストランの配達車だったのが、ペイント一新、街宣車になってます。もちろんその車で配送するんです。
そんな車のひとつに「ポポズーダ車」があります。これは家の近くのランショネッチの車で後ろに大きく「ポポズーダ以外乗せません!」と書いていた車です。ポポズーダとはブラジルの俗語で「ケツのでっかい姉ちゃん」という意味で、ちょっと女性の前でははばかられる言い方です(ブンブンブ〜ン参照)。ところがある日突然その車も街宣車に早変わり、候補者の名前をベタベタ書きこんだ車になってしまいましたが、肝心の「ポポズーダ以外乗せません」のところは残ったままでした。
やがて数日すると、真新しいペンキが塗られ、その個所だけ消されていました。想像するに
候補者「なあ、カルロス君。ちょっと話があるんだ。カルロス君のところの車の話だよ。」
カルロス「いやあ、ありがとうございます。ちょっとあなたの名前を入れただけなのにあんなに宣伝代をくれて、とても助かってますよ。」
候補者「そうかそうか、まあそれはお互い様さ。でも今日はカネの話じゃないんだ。車のペイントの話だよ。なんでもカルロス君の車には『ポポズーダ以外乗せません!』って書いてあるそうじゃないか?」
カルロス「ああ、あれっすね。うちの若いもんが洒落で書いたんで、他意はないっすよ。」
候補者「そうかもしれんが、こっちには困るんだよ。今回はいつもより候補者が多くてただでさえ激戦と言われてるんだ。あの車を見て『こいつはポポズーダが好きなんだ。』なんて思われたら女性に嫌われるじゃないか。今は女性が強いご時世だ。彼女たちを敵には回したくないし。だからなんとかしてくれんか。」
カルロス「あっ、そうでしたか。すみませんでした。今後気をつけます。若い衆にも十分言い聞かせておきますので今日のところはご勘弁ください。」
候補者「いや、まあ分かってくれたらそれでいいんだ。ありがとうカルロス君。これからもいろいろと協力してくれたまえ。
カルロス「分かってますよ。当選したら、例の話よろしくお願いしますね。」
といったあたりが真相じゃないかと思います。
さて、オリンピックで一番の注目はメダルの数。日本は昨日、柔道でまたひとつ金を獲得したのでこれで三個目になりましたね。ブラジルはそれには及びませんが、これまでに銀をふたつ獲得しています。競技はともに「JUDO」、そう柔道です。ブラジル国内では柔道はかなりメジャーな競技で、メダルの可能性も高く、大会前から連日出場選手の動向が報じられていました。そして期待通りに銀を獲得したんですが、その時の記事です。
Judoca Tiago Camilo e prata.
SYDNEY - Tiago Camilo perdeu a final contra o italiano Giuseppe Maddaloni e ficou com a medalha de prata na categoria ate 73 kg,peso-leve. O italiano esteve sempre em vantagem. Fez 2 kokkas (golpe mais baixo na hierarquia do judo) e depois conseguiu o ippon, golpe perfeito, a pouco mais de um minuto para o final. Esta foi a primeira Olimpiada de Tiago, que tem 18 anos. Ele deu a segunda medalha em Sydney ao Brasil, depois do bronze no revezamento 4 x 100 metros de nado livre. |
柔道家 チアゴ・カミーロは銀
シドニー 柔道73kg級決勝戦で、チアゴ・カミーロはイタリアのジュゼッペ・マダローニに敗れ、銀メダルを獲得した。 試合はマダローニが終始優勢に進め、二つのコウカ(柔道の技で一番低いランク)のあと、試合終了1分前にイッポン(完全な技)を決めた。 18歳のチアゴは今回がオリンピック初出場で、ブラジルにとって水泳4×100mリレーの銅メダルに続いてふたつ目のメダルとなった。 |
この中に出てくる単語で「judoca」と言うのがありますよね。これはまさしく「柔道家」と言う意味です。柔道家と言う意味を単純にポル語で表そうとすれば「judista」にでもなるんでしょうが、さすが柔道、日本語がそのまま入ってきています。「一本、技あり、有効、効果」などの言葉がそのまま入っているのはなんとなく分かるんですが、judocaという言葉まで入っているとは驚きました。そんな柔道のテレビの解説を聞いているとポル語の中に時々日本語が混じっていて新鮮な響きです。
また、日系人もオリンピックでは活躍しており、日系二世の柔道選手ヴァーニア・石井はブラジルのメダル候補として期待されていましたが、敗者復活戦準決勝で敗れ、惜しくもメダルを逃しています。石井の父親、石井千秋は日本人でブラジルに移民の後、帰化し、ミュンヘンオリンピックで銅メダルを獲得した柔道一家としても有名です。を、このほか卓球の穂山・ウーゴも出場していて、スポーツ界でも日系人はがんばっています。
オリンピックも本格的に始まりましたね。なんといっても注目はサッカーの日本×ブラジルです。ブラジル時間だと明日の朝6:00キックオフ。今回はブラジルも相当気合が入っているだけに楽しみです。また、ブラジルのマスコミも日本の実力を認めているようで、主要新聞の記事にもそれが表れています。
Folha de Sao Paulo
無敵の日本 ブラジル男子サッカーチームは一次リーグで最強の相手と試合をする。五輪予選で12勝し、66得点を挙げながら、たった3点しか失点を許していない日本だ。 確かに日本が戦った相手は弱かったかもしれないが、結果を見れば、日本が高い得点能力を持っていることは明らかだ。対フィリピン戦では13×0、11×0という高得点をあげているが、ブラジルは同じ相手に7×0、6×0しかあげられなかった。 平均5.5得点という驚くべき数字は本大会に入ってたしかに落ちたが、日本は一次リーグのニ試合を2×1で勝っている。 しかしルシェンブルゴも日本を重視していたようで、日本×南アフリカ戦にトレーニングコーチのルイス・イナーハを偵察に送っていた。 |
O Estado de Sao Paulo
未来をかけて強敵日本と対戦 ブラジルは明朝6時からオリンピックの生き残りをかけてこのところ破竹の勢いの日本と戦う。Dグループ首位の日本は一次リーグニ試合全勝で、最近25試合無敵を誇っている。「すべての集中力を持って戦わなければならない。日本は非常に危険なチームだ」キャプテンのアレックスはこう語る。 準々決勝に進むためにはブラジルは絶対に勝たなければならない。 もしブラジルが勝った場合、南アフリカ×スロバキアの試合結果によって、一位か二位が確定する。 引き分けた場合、スロバキアが南アフリカに勝てば、ブラジルは決勝リーグに進むことができる。 負けた場合、ルシェンブルゴ率いるオリンピック代表チームはシドニーを去ることになる。 ブラジルサッカー協会のヒカルド・テイシェイラ会長はゴールド・コーストのホテルでルシェンブルゴと会見したが、親しい友人の話によると会長は対南アフリカ戦での屈辱的な敗戦について非常に不快感を持っており、さらに敗戦を重ねることになれば監督交代を考えなければならないと示唆したそうだ。 ルシェンブルゴは次の試合も今まで同様に戦い、選手の入れ替えは行わないことを表明しており、敗戦した場合の進退については「ブラジルの誇りを守る」とだけ答えている。 |
と、こちらが恥ずかしくなるぐらい高く評価されています。
でもこれまでのブラジルの正代表の試合を見ていれば、新聞の論調も納得できます。最大のライバルと思われていたアルゼンチンには解消しましたが、「まさか負けることはあるまい。」と誰もが思っていたチリとパラグアイに負けたからです。「強い相手にはめっぽう強いが、なめてかかったチームに足元を救われる」というお国柄。今回も「相手が日本だから大丈夫」なんて気持ちになったらまたもや手痛いしっぺ返しを食らうかもしれません。
だからこそ新聞やテレビはこぞって「おい代表!日本をなめてかかるんじゃないぞ!」と喝をいれているんでしょう。
これが「な〜んだやっぱり」にならないように、そして「やっぱり相手が悪かった」とブラジルに言わせるぐらい日本チームには頑張ってもらいたいです。
オリンピックといえば、気になる日本代表ですが、残念なことにブラジルではまったく見られないことが判明しました。ブラジルで日本の映像を見る唯一の手段、「NHK海外放送」が、放映権の関係で1秒たりともオリンピックの映像を流すことができないそうです。お金の問題は問題でしょうが、海外在住者としてはなにかもの寂しいものがありますね。「やっぱ海外在住者なんて日本では忘れられてるだよな…」なんていじけたくなります。
それを聞いて思い出したのが戦争時代。日本では「お国のために死んで来い!」と海外に送り出しましたが、アメリカでは「万が一、死ぬことがあっても、必ず体はアメリカに持って返る」と約束し、前線でもアメリカからの物資や情報を豊富に送り届け、少しでも前線の苦労をやわらげようとしたそうです。今回の情報砂漠の海外在住者を見ると、「そのころと変わってないのかなぁ」なんて思います。
さて、ぐちはそれぐらいにして、ブラジルは勝ちましたね。スロバキアに3×1。いったんは先制を許したものの、きっちりと逆転してブラジル国民を安心させました。久しぶりに見る南米サッカーとヨーロッパサッカーの本格的対戦。南米サッカーになれた目で見るとヨーロッパサッカーとの違いが目に付きました。なんと言ってもヨーロッパサッカーは無骨で優等生的ですね。ちゃんとスペースを作ってまっすぐにパスを出す。相手がボールを持ったらファールで止める。なんかゴツゴツした感じを受けました。
一方南米サッカーは一言でいうと「ずるい」サッカーですね。ヨーロッパよりファールは少ないんですが、レフェリーの見えないところでこっそりとファールをするところなんか、いかにもブラジルらしいプレー。実際ヨーロッパほど体でぶつかったりせず、フェイントを多用して抜き去るところなど華麗さを感じさせます。いろいろなところで言われていますが、やはり個人技と試合の美しさなら南米でしょう。
そして要所要所で同時進行中の得点シーンが中継されます。この日は韓国×スペイン戦、モロッコ×チリ戦、日本×南アフリカ戦が進行中で、それぞれの得点シーンを見ることができました。その中で際立っていたのが日本の得点シーン。ブラジルの歓声に慣れてしまった僕の耳には点が入った瞬間の「キャー」という甲高い歓声は懐かしい響きでした。南米はもうちょっと低い声で「ワー」とか「ウォー」とか言ってますから。日本側のスタンドを見ても若い女性が多く、男性中心のブラジル応援席とは好対照。いまだにブラジルでは「女性だけでスタジアムに行くと危ない」と言われていて、サッカー観戦は男の趣味なんですが、いつか日本みたいに若い女性も気軽に行けるようになるといいですね。
最後にブラジル×スロバキア戦にもどりますが、試合終了とともに、真っ先にアレックスのもとに駆け寄ってユニフォームを交換したスロバキア選手!!おまえブラジルのファンだろ。その他のスロバキア選手も交換してもらったユニフォームをうれしそうにその場で着るなよ!少なくとも負けたんだからもうちょっと悔しそうな顔をしなさい!!見てみろ、ブラジル選手は交換するだけで誰一人としてスロバキアのユニフォームを着んかったぞ!!
一週間まったく更新しなくて申し訳ありませんでした。今日から元気に再開と行きたいところですが、また金曜夜からクリチーバに行くので週末は更新できません。
『選挙を利用しよう!』
このところ身の回りでよく耳にする言葉です。何度も書いてますが、いまだ三ヶ月にわたる長丁場の選挙戦の真っ最中。だんだんとヒートアップしていますが、これは候補者だけでなくて回りの人もおんなじ。
我が文協では会長が副市長候補として出馬していますが、今は一票でも欲しい時期なので、有権者の声に弱いです。日ごろは敏腕会長として必要のない出費に関しては厳しくチェックしているんですが、この時期はそれも甘くなりがち。会員たちもここぞとばかりにお願いします。
ちょうど我が校でも間近にピクニックを迎え、生徒たちが「みんなでおそろいのユニフォームを作ろうよ!」なんて言い出しました。こちらではオリジナルのTシャツやサッカーシャツを簡単に作ることができ、学校のクラスや仲良しグループではよくこういったシャツを作っています。そう言うことで子供たちも言い出したんだと思いますが、僕が「お金はどうするんだ!」と聞くと、「学校が出すに決まってるじゃん!」とこともなげに言い放ちます。
このあたりに日本とブラジルの文化のギャップを感じるんですが、こちらでは人にお金を出してもらうことに対してぜんぜん抵抗がありません。どうも日本人的には欲しいものがあったら自分で買いなさいと思いますが、こちらの考えでは「欲しいものは欲しいけど、お金は出さん!」というのが普通みたい。きっとこういう考えを持った大人が増えるから国全体がたかり体質になって、外国から借金をして踏み倒すようなことになるんじゃないか?などと腹立ちまぎれに思ってしまいます。
そんな安易な子供の考えを一蹴しようかと思ったら、地元の人が「それなら会長に出してもらえばいいよ。」と一言。子供も乗り気で「そうだね、選挙を利用しないとね!」と、もう話はまとまったかのようです。大人のほうも「そうそう、選挙だからきっとたくさんお金を寄付してくれるよ」とこちらも甘甘。こちらとしては「まずはシャツを買う人数と値段を調べて、それから会長に話しなさい。それに全額出してもらうんじゃなくて、半分ぐらいは自分たちで出しなさい。」というのが精一杯。
このままいくと、多分会長から寄付金をせしめることでしょう。きっと会長はいろいろなところでこうやって寄付金の名目でお金をむしり取られているんでしょう。でもこういった構造は日本にもあって、今まで気づいていなかっただけなのかもしれません。新聞などで伝え聞くかぎり、日本でも田舎の選挙だとこういった利益誘導型の選挙みたいですし。すると、選挙後に当選者たちが先を争って懐にお金を流し込むのも分かるような気がします。政治家も自分一人が儲かるわけではなく、政治家の周りにいる人たちも儲かるわけです。
別の機会で聞いたことですが、「ブラジルの政治家はみんな泥棒だよ。お金を盗む。それを言ってもしかたがないので、好きに盗ませたらいい。ただ、大事なのは盗んだ後でどれだけ私たちに還元してくれるかだ」そうです。日本みたいな透明性の高いやり方ではないかもしれませんが、それなりに筋が通っているような気がして、納得できたんですが、もしかしたら、僕もちょっとだけ大人になったんでしょうか。
昨晩は平日なのに夜遅くまでどこぞのディスコが大音量で派手な音楽をかけていました。普通は平日にはやらないのでおかしいな?と思ってよく聞いてみると、どうも選挙の宣伝のためのディスコでした。(会場から何百mも離れていても何を言っているか分かるというあたりで、そのすさまじい音量を推し量っていただきたい!)
選挙までダンスかよ!と言いたくなります。
はじめは静かだった選挙活動も日を追うごとににぎやかになり、最近では日本のように町中を街宣車が走り回るようになりました。ただ、地球の裏側だけあって、日本とはちょっと違いますね。日本だったら女性の金切り声で「○○、○○をよろしくお願いします!」と連呼するだけですが、さすがに音楽大国ブラジル、どこ候補者も自分の宣伝を歌にのせてます。
もうこのごろになると曲を聴いただけでどの候補者か分かるようになりました。さて、その曲はオリジナルの時もありますが、替え歌も多い。その替え歌の中で圧倒的なシェアを占めているのが As Meninas の Xibom Bom Bom です。この「ボッシボッシボンボンボン」というメロディーに乗せた候補者の替え歌を今まであちこちの町で聞いたので、これは全ブラジル的な現象なんでしょう。
また別の日には夕方アパートの駐車場にとまった車からその女性警察官が出てきてアパートの中に消えていきます。「内偵でもやっているのか?」と思いたいところですが、門番に聞いてみたら単に住んでいるだけでした。その後もちょくちょく会います。
でも警察官の制服でアパートに出たり入ったりするのは何度見てもヘンな感じがします。僕にとって警察官なんてのは「公」の存在で、彼らの「私」的な姿なんて存在しません。実際日本にいるころ見かけたのは、巡回中とか交番の中で働いている時とか、公務中の警察官ばかり。こうやって自分の家に帰ったり、家から出勤する警察官を見るのは30歳にして初めてなので慣れないのでしょう。
では、どうして今まで日本の警察官の出勤風景を見なかったんでしょうか?考えられる理由としては
日本の警察といえば、自転車で警邏する巡査さんってイメージが強いんですが、ブラジルではそんな姿を見ることはありません。派出所なんてものはなく、町には警察署が一箇所あるだけです。本当は軍警察、連邦警察、市警察と何種類かあるので(全部で7種類あるらしい)、警察署も一箇所じゃありませんが、それでも日本のように警察組織が町々にまで浸透しているとは言えません。そんなブラジルでも最近は都会を中心に自転車警邏隊もいて、颯爽と走り回ってたりします。
友人に自転車野郎がいるんですが、そいつの裸体が真っ先に思い浮かび、イヤ〜な気分。
(★)こち亀といえば、オリンピックシーズンに冬眠から覚める日暮巡査が気になりますが、もう登場したんでしょうか?ご存知の方教えてください。
この映画のボンド・ガールは中国の情報部員で、映画の中でボンドが彼女の隠れ家に行ってマスコミ王のステルス船を探すというシーンがありました。ベトナムのサイゴンとおぼしき町並みの古ぼけた自転車屋が彼女の隠れ家で、秘密のボタンを押すと壁や床が動いて最新のコンピューターや武器が並んだ近代的な部屋に変身するというシーンがありました。しかし身元がばれないように転々としなければならない(と思う)情報部員がそんな派手派手な隠れ家にいていいもんでしょうか?という疑問は持ちつつも「まあ映画だからいいか」です。
さて、ボンドはマスコミ王の元から入手したデータを元にステルス船の隠れ場所を突き止めようとします。でも中国語仕様のコンピューターを見たボンドはあきらめて、彼女に調べてもらいます。そして計算が始まり、ベトナムのハロン湾に潜んでいることが特定されるわけです(★)。このとき、「ほら、見てごらん、ここにいるわよ」と彼女が見せたコンピューターの画面を見て、笑っちゃいました。ハロン湾はベトナム北部、ハノイの近くにある湾ですが、画面を見ると漢字で「東京灣」って思いっきり出ていました。
一瞬しか映らないんですが、自宅にビデオがある人はぜひ確認してみてください。
ところでベトナムのトンキン湾って「東京湾」って書くのかな???
(★)ベトナムでハロン湾と言えば、一二を争う一大観光地。日本でいえば景色といい知名度といい、松島にあたるでしょう。そんなところに悪の親玉が「隠れる」というのもヘンな話ですが、やはり007は世界の観光スポットを網羅せねばならないのでこれはお約束ですね。リオでも意味もなくポン・ジ・アスーカルのロープウェーで戦ったし。
そうそう、今度の金曜・土曜のことを「今週末」と書きましたが、ここ、ブラジルでは一週間は日曜日から始まります。日本だとだいたい月曜日なのでたま〜に困ることがあります。それも週に一回だけ。日曜日です。ブラジル人が日曜日に「来週の水曜日」といったら、次の次の水曜日になるんです。
それと同じくいまいちなれないのが曜日の呼び方。月曜日にことは segunda-feira というんですが、これを直訳すると「第二曜日」。日曜日が週の最初なので月曜日は「第二曜日」なんです。これと同様に火曜日は「第三曜日」、水曜日「第四曜日」、木曜日「第五曜日」、金曜「第六曜日」と呼ばれます。ちなみに土曜日は sabado 日曜日は domingo で、これは順番とは関係ありません。
さて、「なんでそれで困るんだ?」といわれるかも知れませんが、僕は以前中国語を勉強していて、中国にも何度も旅行に出かけていたので、基本的な中国語がまだ頭に残っているんです。中国語では曜日のことを「星期」と呼び、月曜日が「星期一」、火曜日が「星期二」、水曜日が「星期三」、木曜日が「星期四」、金曜日が「星期五」、土曜日が「星期六」、日曜日が「星期六」です。
ちょっとごちゃごちゃしてきましたね。ここで表にしてみましょう。
日本語 | ポル語 | 中国語 |
月曜日 | 第二曜日 | 星期一 |
火曜日 | 第三曜日 | 星期二 |
水曜日 | 第四曜日 | 星期三 |
木曜日 | 第五曜日 | 星期四 |
金曜日 | 第六曜日 | 星期五 |
土曜日 | サバド | 星期六 |
日曜日 | ドミンゴ | 星期天 |
「木曜日は… え〜っと、月曜日が2だから、2,3,4,5… そうだ quinta-feira (第五曜日)だ!」
なんて間抜けなことを頭の中で繰り返しています。
本当は午後、生徒たちと一緒に行きたかったんですが今回の折り紙講習会は人気があるようで、午後の部は満員、しかたなく午前の部にしました。
ちょっと送れて会場についてみると先生は日系人でした。やはり折り紙文化=日本なんでしょうか。その先生はまったく折り紙を知らないブラジル人相手ということで、はじめは動きのある折り紙を教えてくれます。コロコロと転がる折り紙です。(ってなんのことかわかんないっすね、まあいいや!)
その後は机とかいすとかを教えて、最後はナントカ・モジュールというやつです。これはひとつの折り紙でひとつのモジュールを作り、それを組み合わせて正四面体を作ったり、立方体を作ったりする折り紙です。このモジュール折り紙は日本にいるころ憶えたんですが、最近忘れちゃったので、とってもタイムリーなネタで助かりました。
日本でこれを憶えたのも折り紙講習会でしたが、そのときにやった折り紙と今回やった折り紙はほとんど同じ。折り紙初心者をひきつける折り紙というのは世界共通なんでしょうか?それとも折り紙協会あたりでマニュアルを作っているのかな?
なにはともあれ、こんなブラジルの片田舎にも折り紙文化の火が細々とついたようです。