2001年 「最近の言葉」大賞の発表


2001年もいろんな事がありました。いろんな言葉がありました。

本年もお付き合い願いましてありがとうございました

2002年がもっといい年でありますように

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◆◆ 2001年を言葉で振り返ってみましょう ◆◆

言葉は温かい、言葉は辛い、そして言葉はやるせない

特に断りがない場合は、朝日新聞から引用しています
この一週間の世界を振り返ります。どんな言葉があったのでしょう
引用時のミスには気を付けているつもりですが、何かありましたらメールでご指摘ください

言葉 言葉の主
12月の言葉 「そして失うものがあると必ず新しく手に入るものがある。人生はちゃんと帳尻が合うようになっていると、数多くの人を取材して実感します」 加藤仁
11月の言葉 「引っ込み方までのり平先生に教えられた通りにしなくてもよかったのに」 寺田農
10月の言葉 「一塁側の阪神ファンたちがいっせいに『長嶋あー』『ながしまー』と大声で長嶋さんの名を呼んだ」 ねじめ正一
9月の言葉 「同世代を見るとアラが目立つ。ひと世代上には、ああなりたくないという反発がある」 篠崎誠
8月の言葉 ほんの一瞬にしろ、『帰ってくる』の言葉に”軟弱な人”と思った自分に対して、何かを課したいと思った 園部輝子
7月の言葉 「大人は『ぼうや、大きくなったら何になるの』という質問をしてくれなかった」 谺(こだま)雄二
5月の言葉 「家庭を治められなかった人に、国が治められるのでしょうか」 作家 衛慧(ウエイ ホエイ)
4月の言葉 「若い人も30代も40代もね、大志を抱けと言いたい。自分の目標の中に、人の望みも重なっている」 作家 猪瀬直樹
3月の言葉 「この村から一度も出たことのない私が言うんだから、間違いない。この村が日本で一番よい所だ」 上野村のおばあさん
2月の言葉 「ダメですよ、あんまりまじめになっちゃ。人間として、大切なものをなくしてしまうからね」 ミシェル・ルグラン
1月の言葉 「決して実現されない存在は、永遠に美しい。これは誰でも知っている真理だ。だからこそ、鉄腕アトム、なのです」 西垣通

アメリカ不況

「消費者の多くが住宅改築を済ませ、新車を買い、タンスの中はすでに服でいっぱい。さらに買うものがない、という時期が来たのです」
時期 : 1月
格付け機関ムーディーズのマリー・メネンデス副社長の言葉

既にこの時期に今年の春にピークを向かえ長期間続いた米の景気減退を言い当てていた

大統領

「ブッシュ大統領が、振る舞いから見受けられるほどには、愚かでもマフィア的でもないことを期待しよう」
時期 : 1月
キューバのカストロ国家評議会議長の演説

さてテロとの戦争を宣言したこの人は、愚かなのかどうか、歴史の判断を待つしかないのか

「二十一世紀。人間は戦争をなくすことができるのかどうか。突き詰めていえば、あとのことはさほどの問題ではない」
とは朝日新聞コラムニスト早野透さん。まだ答えを出すには早すぎるのだが・・・

官僚

「過去のことをいまさら全部あばきたてて何になるのか」
時期 : 1月
厚生労働省の近藤純五郎事務次官の言葉。

旧労働省幹部のKSDに接待されていたことが判明したのだが。この後は主に外務省の酷さが白日のもとに晒された

右から左までとにかく官僚という輩は・・・ですね

サメの脳みそ

「子どもが大人に怒られるときは、一つのことだけではなく、それまでの生活態度や悪行の数々があるのと同じだ」
時期 :2月
宮城県知事・浅野史郎さんの言葉。

この頃は森前首相に前から後ろからバッシングの嵐

「総理ね、そういう言いわけ、開き直り。言えば言うほど国民は信頼しなくなる」と公明党の高木陽介。「本当に残念というか、情けないというか、申し訳ないというか」 は保守党扇千景国土交通相の言葉

支持率がついに一桁に、際限なく下がり続けた
これほど見事に落ちたのは森総理の支持率とITバブル崩壊のナスダック株ですかね

デフレ

「デフレが起きているんだ。日銀にはどぎつく言ってやらないと。あいつらは石頭だから」
時期 : 2月
昭和11年生まれ。自民党政調会長・亀井静香さんの言葉。

株価が低迷、一時13000円を割りこんだために大騒ぎ。今思えば「かわいい」もんですな、13000円。その後日本はデフレスパイラルに入っているが一般化する

まあ今はすっかり影の薄い亀井さんですが、たまにはあたることもあるんですね

優勝

「『今年の近鉄は違うぞ』と他チームに思わせるためには初戦を絶対に取って主導権を握る。それには、点差は3点以上離されないことが肝心だ」
時期 : 3月
1953年生まれ。近鉄バッファローズ梨田昌孝監督の言葉。

こんな情けない言葉で始まった近鉄だが・・・・終わってみればまさかの優勝。3点差以上離されなかったようですね

情けない、と言った私の負けです。ごめんなさい

失われた10年

「1つは労働者階級に対する敬意。もう1つは、つつましい生活という価値観に対する敬意。10年前までは、その価値観が確かにあったんだ」
時期 : 4月
ニューヨーク・タイムズ編集長の言葉。「この10年、私たちは何か大事なものを失ったような気がする」

失われた10年は日本だけのことではないようだ。それではこの
10年は一体なんだったのだろう。これも歴史が下す裁定を待つしかないのだろうか

意味

「家内もながくない。でも国が謝罪し、再発防止になれば、死ぬ意味がある」
時期 : 7月
山村伊吹さん(59)の言葉。

「ヤコブ病」の原因はドイツ製ヒト乾燥硬膜の移植だと国を相手取り損害賠償を求めている。原告は病床の妻と二人

死ぬ意味がある、いいや生きてきた意味がある

8月

「そして終戦。夫が帰ってくるといううれしさに体中の血液が噴き出てしまいそうだった。しかし、復員局に日参しても手がかりがなく、毎日名簿を探し続けた。やっと名前を見つけ、手が振るえた。それは行方不明者名簿だった」
時期 : 8月
世田谷区 山本ゑ美さん(78)の言葉。「3日間の新妻だった。(中略)一緒にいられるわずかの時間、あの方は将来の夢、二人で築く家庭のことを話してくれた。愛される喜びを全身に受け、幸せだった」

死ぬことの意味、いいや生きてきたことの意味

テロ

「遺族に渡したい。とっさにそう思って、必死でつかんで逃げてきた。同僚も大勢、あそこで働いているんだ」
時期 : 9月
アメリカで起きた同時多発テロ事件で倒壊した世界貿易センタービルのメンテナンスをしていた男性の言葉。

手には焼けこげた「貿易センタービル、101階」の住所がある書類

許してはいけないことがある。テロとはそういうものだ

◆◆ お待たせしました。今年の大賞の発表です ◆◆

番外賞

「本当なら個人的に取りに行く。住所を……」
時期 : 2月
(日本では)家電リサイクル、いらない冷蔵庫の処理の仕方は?にナイロビの市清掃部の返事は


ひとまずは順調に動き出した家電リサイクル。ただ指摘されていた不法投棄が問題化している。取りにきてくれないかなあナイロビの人


特別賞

「とりあえずヒマがあって、そのヒマを十二分に楽しむ何かがあって、その何かにうつつぬかしていると結果かなり充実して、そのうち日が暮れて、ああ一日おもしろかったなあ、ああ、腹減ったなあ、なんてやりながらメシ喰って寝てしまう、なんていう理想が、とりあえずあるのさ」
時期 : 3月

1945年生まれ。絵本作家 五味太郎さんの言葉。「いろいろ御意見はおありだろうけれど、とりあえず確実にある、あるよね」と続く

あると思います。きっとあると思います。絶対あると信じます。だからお願いです神様!私にこういう理想の時間をお与えください

特別大賞

「この村から一度も出たことのない私が言うんだから、間違いない。この村が日本で一番よい所だ」

時期 : 3月

群馬県の山村、上野村に住むおばあさんの言葉

そりゃそうだ。なにしろおばあさんがこの村のことを一番知っているんだから。はい、信じますよ


第5位

「ダメですよ、あんまりまじめになっちゃ。人間として、大切なものをなくしてしまうからね」
時期 : 2月
フランス人音楽家 ミシェル・ルグランさん(68)の言葉。

そうだね、その通りだね。大切なものを失くしてしまわないうちに肩の力を抜きましょうか

第4位

「町工場なんてやるんじゃなかった。二十五年やって残ったのは、鉄くずばかりだ」
時期 : 3月
東京都大田区の町工場の経営者(61)の言葉。

ああ、なんて哀しい言葉だろう。なんて・・・寂しい言葉だろう。そんなことないよ、絶対ないよ。二十五年もモノ作りを続けてきたんだ。たくさんの製品を生み出してきたんじゃないか。凄い財産じゃないか。元気だして、大田区のみなさん


第3位

「そして思いがけないことだが、したくないこともした時、初めて、人は自分が必要とされている存在であることを感じ、現世に生きている意義を見つけて、不思議なことに心が満たされるのである」
時期 : 4月
1931年生まれ。作家 曽野綾子さんの言葉。「大人だってほんとうはしたいことだけしていたいのだが、そうはいかない。やはりすべきことをしなければ、と思う」に続いて
「あらゆる物質は、こちらが取れば相手の取り分は減る、というのが原則である。食料でも空気中の酸素でも日照権でも、すべてこの原則を元に考えられている。しかし愛だけは、この法則を受けない。与えても減らないし、双方が満たされる」

工学者の私も物理法則で生きているわけではない。生きるための法則はまた別にあるのだ

第2位

「一塁側の阪神ファンたちがいっせいに『長嶋あー』『ながしまー』と大声で長嶋さんの名を呼んだ」
時期 : 10月
1948年生まれ。詩人・作家 ねじめ正一さんの言葉。「東京ドームではこみ上げてくるものはなかったのに、阪神ファンのこの声援を聞いたとたんぐっときた。もう涙ぽろぽろだ。いつも巨人をボロクソに言うあの天敵親の敵とばかりに野次って野次り飛ばすあの阪神ファンが、手を振り、声を涸らして長嶋さんの名を呼んでいる。長嶋さんの現役最後の姿にありがとうと言っている。野球の天使・長嶋茂雄はそれほどまでに愛されていたのである」と続く

ながしまー。ながしまー。何かが終わった、そんな気がします

大賞

時期 :
残念ながら今年は該当なし

さみしーいいいいいいです。来年は多くのいい言葉を聞けますように

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