2000年 「最近の言葉」大賞の発表


2000年もいろんな事がありました。いろんな言葉がありました。

本年もお付き合い願いましてありがとうございました

2001年がもっといい年でありますように

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今年集めた言葉です。<平均して毎週7個の言葉、うち♀が1個、コメント1個>となりました

Total ♂の言葉 ♀の言葉 Kのコメント
一月 31 22 3 6
二月 24 14 5 5
三月 26 22 3 1
四月 28 20 5 3
五月 28 19 4 5
六月 29 20 4 5
七月 43 22 10 11
八月 28 20 3 5
九月 35 26 6 3
十月 29 19 3 7
十一月 37 26 2 9
十二月 45 27 4 14
2000年 383 257 52 74

◆◆ 2000年を言葉で振り返ってみましょう ◆◆

言葉 言葉の主
12月の言葉 「学校で友だちとすごしたい。一日中、この丘でコーヒーの実を摘むんじゃなくて」 アントニオ・セデノ
11月の言葉 「彼のこの数ヶ月を語るには、新聞紙面では決して使えない2文字を使えば事足りる」 作家 矢作俊彦
10月の言葉 「長野と同じように有名だからといって代表を選んだら、立川は日本の恥ですよ、恥」 亀井静香政調会長
9月の言葉 「民主主義がよって立つのは人々の意思だ。一人の考えではない。この国に、もう『交代させられない』人物などいない」 ユーゴスラビア大統領 ボイスラフ・コシュトニツァ
8月の言葉 「今も昔も、一日が二十四時間なのは変わらないが、時は、四季に寄り添い、太陽と月に従い、ゴム紐(ひも)のように伸び縮みしていた」 江戸研究家 杉浦向日子
7月の言葉 「だまされないほうがいい。『青春には無限の可能性がある』なんて言葉はたぶん嘘だ」 作家 重松清
6月の言葉 「各紙負けてますねえ」 日本ハム 大島康徳監督
5月の言葉 「実は私はかねてから一つの不満を抱いていた。
それは、なぜ『物好き』は『勤勉』とセットにならなければいけないのか!? ということだ」
作家 中野翠
4月の言葉 「女性は世界の人口の半分もいるのよ」 IOC副会長アニタ・デフランツ
3月の言葉 『強いてわいせつな行為をした』と糾弾されても言い訳のできない行為 横山ノック被告
2月の言葉 「GDPを伸ばすのに疲れた。その割に、みんな幸せでない」 雪印乳業社長 石川哲郎
1月の言葉 「身につけたままの衣類にこのアイロンをあてないで」 米国商品の注意書き

経済政策

「現在の小渕政権のように、目の前の難事にひたすらカネをつぎ込めば『景気は良くなる』と考えるのは、政策ではなく、神仏に祈るのと同じ」
時期 : 1月
今年の一月、故・梶山静六さん。小渕政権の「大借金」政策を批判して。批判した人もされた人も今はこの世にいない。そして「大借金」政策は二十一世紀にまで引き継がれた

自公保

「いつも心の中で『神様、仏様、冬柴様』と言っていた」
時期 : 1月
こんな言葉を言ってる人が今の首相、サメの脳みそと揶揄される人である。この頃は公明党の方針転換から自自公連立。そして自由党の分裂から自公保、首相の死去による交代と激変。そして総選挙。来年はどんな人がどんな舞台で踊るのでしょう

言葉

「それは『言葉』じやないでしょうか」
時期 : 2月
「若さに寄りかかって、その価値だけで生きてきた女性は、肉体的な部分の衰えがきたときにキツいですけど、その衰えを別のものできちんと補い、バージョンアップしてる人もいますね」に続いて、作家の樹のぶ子さん

「文学をむつかしく考え、論じるのは批評家の仕事である。私は文章、あるいは、言葉と言ってもよいが、これでなければ表現できない世界をのみ、一心に求め続けていたい」
は作家の森内俊雄

「円周率を約3にするのなら、授業の名前も約算数とか約数学にすべきである。言葉の厳密な意味にかかずらう文科系としてはっきりそう訴えておく」作家 いとうせいこう

敗者

「私は余命を国の大儀に尽くしたい。約束します。私は真実しか語りません」
時期 :3月
候補者は、候補者でしかない。この男(共和党ジョン・シドニー・マケイン上院議員)に勝った男が次ぎの闘いにも勝ちアメリカの次ぎの大統領になった

貧困

「一日一ドルしか収入のない国民が、一日、百ドル以上稼ぐ国民に支払いを続けている」
時期 : 4月
デビット・ザック・ニンギエ牧師。最貧国の債務削減に対し日本は慎重な姿勢を示している。今年大流行した債権放棄には鈍感なくせに

「地球にまだ飢えている地域があるとしたなら、火星に人類が一歩をしるしたからといって、何の意味があるのか」西半球最貧国、ハイチのルネ・プレバル大統領

「学校で友だちとすごしたい。一日中、この丘でコーヒーの実を摘むんじゃなくて」アントニオ・セデノ(14)

失言

「あんまりしゃべるな」
時期 : 5月
神の国発言で石川要三都連会長。「総理になり代わって撤回します」は新藤義孝代議士
言葉で国を語るのが政治家だとしたら、「しゃべるな」と言われる首相を持つ国の行く末は限りなく暗い。「神様は僕の所轄事項ではないので勘弁してほしい」と味わい深い翁は宮沢喜一蔵相。誰も言葉に責任を取らない、取ろうとしない国なのである
国体発言に「もうやめましょうよ、こういうの」と首相周辺からも。拉致問題では「もう何を聞こうが驚かない」と外務省の雰囲気まで。でもそんなことは取るにたらないことです
「電気がなくても携帯電話がある」んですから

暴言

「過去にけんかしたことにこだわるのは、百姓町人のやること。われわれが侍とまでは言わないが、国家のために何をなすかということで議論し、三党共通公約を作った」
時期 : 6月
失言首相に暴言政調会長の名コンビ。どちらも負けていません、負けられません
「目をカッと見開いて、誤りのないようにしていただきたい」と日銀ゼロ金利解除に噛みついたと思ったら「長野と同じように有名だからといって代表を選んだら、立川は日本の恥ですよ、恥」と衆議院補選で吼えまくる。まっどっちも無視されましたが
「柳川より、かば焼きの方が値段は高いが、栄養も高い」整備新幹線では奇論で強行突破、一矢を報いる

◆◆ お待たせしました。今年の大賞の発表です ◆◆

番外賞

「死ぬかもしれない」
時期 : 5月
フィリピン航空ハイジャック犯のおののき
マニラ到着寸前に銃と手榴弾を持ってトイレから出てき「ハイジャックした」乗客から金を出させた後マニラ郊外を指定し持参したパラシュートで「飛び降りさせろ」と要求。約1800メートルの高さで後方の非常口を開け下を見てしり込み、一言
客室乗客員が背中を押して飛び降りさせると機内に拍手がわいた
高度やパラシュートの大きさから生存の可能性は低いとみられていた。事実その後遺体で発見された


死ぬかもしれない、危険を冒しても手に入れたいものは手に入りました。ほんの数十秒間でしょうが


特別賞

「GDPを伸ばすのに疲れた。その割に、みんな幸せでない」
時期 : 2月

元雪印乳業社長 石川哲郎さんの言葉
後に食中毒事件により辞任

まさかGDPを落とすことに貢献するような不始末を起こすとは本人も想像していなかったでしょうが、曲がり角を象徴する事件、そして言葉でした

特別大賞

「彼のこの数ヶ月を語るには、新聞紙面では決して使えない2文字を使えば事足りる」

時期 : 11月

1950年生まれ。作家 矢作俊彦さんの言葉
「それで議論を呼ぶことさえないだろう。彼は、自分のどこにどのような問題があるのか、それすら理解していない。理解しようともしていない」と続く
「国民はまともな知性と教養と経験を持ちながら、この人を首相にすえて平然としている与党幹部諸氏を怒るべきである。そして、この人を国会に送り出した有権者ともども、深く深く反省すべきなのだ」


今までの数々の発言、これからするであろう幾多の失言。ふー、、、、疲れる。こんな気持ちを流石に作家は端的に表現するものだと感心するばかりです


第5位

「自分にとって役に立つコップを持っているなら、なぜほかのコップを欲しがる必要がある?」
時期 : 8月
スペイン・セビリア近郊に住む元漁師のホセ・カレーラ・バスケスさん(67)の言葉
「ジャグジーつきのバスが欲しいが、まあ、それはぜいたくというものだろう。間違った生き方だという人もいるだろうが、後悔なんかしてないね」に続いて
半年契約で南米方面に漁に出る生活。作業中の事故でけがをしたのをきっかけに船を下り、障害者年金と合わせて月96000ペセタほどの収入での一人暮し

それが欲しくなるんですよね。見栄えも良くて気立てがいい娘がよかったり。でも絵に描いたモチでは役には立たないんですが

第4位

「国会見学でも、バスを手配し、国会の食堂で食事して、ボールペンのお土産をつけて、会費三千円で十分足りる」
時期 : 10月
公明党衆議院議員 上田勇さん(42)の言葉
政治とカネを透明に。自民党議員の億単位の寄付に疑問を呈して
元農水省の役人。保守系国会議員や地方議員に指名業者への「依頼」を受けた経験を語り
「当然圧力を感じた。もちろん違法行為はしなかった。ただ、機会均等のルールに大きく反しない範囲で、別の工事で指名業者に入れるというような配慮はした」

今年政治家の発言で一番情けなかったものの一つ。本人がこのことを誇らしく思っているらしいこと、新聞もそれを肯定しているように見うけられること。どちらも相当に情けない
まさかこんな発言で「そうだ、そうだ自民党はカネを使いすぎだ」なんて思ったりしていないでしょうね?こんなもんは「店に損害の大きい高額商品は万引きしなかった」みたいなもんですぜ、皆々様


第3位

「だまされないほうがいい。『青春には無限の可能性がある』なんて言葉はたぶん嘘だ」
時期 : 7月
1963年岡山県生まれ。作家 重松清さんの言葉
「中学生や高校生の日々、それは『自分はなんでもできる』と信じていられたコドモ時代に別れを告げ、真夜中に街の灯が一つまた一つと消えていくように『できること』が減っていく数年間なんだと認めるところから始めよう」と続く
「挫折、あり。負け、あり。あきらめ、あり。自分の思いどおりにならないこと、山ほど、あり……。それを受け止める力をつけるのも、中高生の日々の必修科目なんじゃないかな、と思う」
「しつこく言うぞ。何度でも言うぞ。中高生の数年間は可能性が減っていく日々だ。挫折や敗北感を噛みしめる連続だ。でも、だからこそ、受験の失敗でも失恋でもなんでもいい、『負け』に負けてしまわないでほしい。『負け』を正面から受け止める、その心だけは勝っていてほしい」


多分「ウソ」ではない、きっと「ウソ」だ。無限の可能性から一つを選べる人間なんていない。みんな二つ、または三つの中から一つを選ぶ、その行為を幾度も繰り返して生きていくんだ。選ぶということは「捨てる」ということだ。前に進むと言うことは可能性を置き去りにすることだ。それでも誰もが前に進もうとしている。だって人間はそう出来ている

第2位

「実は私はかねてから一つの不満を抱いていた。それは、なぜ『物好き』は『勤勉』とセットにならなければいけないのか!? ということだ」
時期 : 5月
1946年埼玉県浦和市生まれ。コラムニスト 中野翠さんの言葉
「『物好き』と『勤勉』が結びつくとマニアとかおたくと言われ、面白かったり立派だったりする作品を生み出すものだが、『物好き』と『物ぐさ』が結びついてもろくなことはない。私はこの結合パターンなので苦悩してしまうのだ」
「だから、例えば…『面倒くさいという真摯な気持ちは、なぜか世間では不当に虐げられていて、面倒くさいじゃ理由にならんといわれることが多いのだが、みな何か勘違いしているとしか思えない。面倒くさいは、性欲、睡眠欲と並んで人間の三大欲望のひとつである』なあんていう一節を読むのは快感だ」宮田珠己著「ウはウミウシのウ」の書評にて


面倒くさいかどうかが判断基準の筆者。血沸き肉踊ります、この言葉。もちろん「ウはウミウシのウ」を買いに本屋に走りました、なんてことは面倒なのでしませんでしたが
本当は大賞にしたかったんですが、、、、

堂々の大賞です。言葉の重さ、深さ、愛おしさが溢れていると思います

大賞

「民主主義がよって立つのは人々の意思だ。一人の考えではない。この国に、もう『交代させられない』人物などいない」
時期 : 9月
ユーゴスラビア大統領 コシュトニツァ候補の勝利宣言は「我々は勝った。ミロシェビッチの暴力とウソにもかかわらず、昨年の空爆にもかかわらず。我々は勝った」で始まり「我々には強さがある。なぜなら我々は自由だからだ」で締めくくられた

自由は勝ち取られ民主主義が芽生えた。たとえその何倍の苦難が待ちうけていても、それは喜ばしいことなのだ。「交代させられない」人物などいない、泣かせます

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