店主の読書日記 APR2003 タイトルリスト 作家別リスト

2003/4/30

 『ロンドン骨董街の人びと』(六嶋由岐子/新潮文庫)読了。
 最近、なかなか読了できなかったのは、これを読んでいたせい。
 タイトルからして内容はバックステージものだと思った。これが案外、キッチリとしたイギリス人論になっているのが面白い。

 著者はロンドン大学で美術史を学び、300年以上の歴史を持つ老舗古美術会社、スピンク・アンド・サンに就職した。ディーラーやコレクターなど、スピンクとそれを取り巻く人々が、著者独特の目線で語られる。

 入社してすぐお金をなくした彼女に差し延べられる同僚の手、手、手。
 これをちょっといい話として書いてしまうことは簡単なはずだ。しかし著者はそうせず、「イギリス人は(植民地から来た異国人に)チャリティーをほどこすというシチュエーションがお好みらしい」と、冷静に分析する。
 悪く言えば意地悪な視点だ。
 私は、その姿勢こそがイギリス的のような気がする。
 この本は軽くもないし、旅行にも役立たない。それでも、日本ではとっくに廃れた階級意識というものについては深く理解できるようになることは約束する。これが面白いか面白くないかは、どれだけ読み手が意地悪かにもよるかもしれない。
 でも、イギリス的意地悪さも、大英帝国の偉大な文化の末の産物だったりするのがやっかいだ。

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2003/4/29

 先週の尚隆はりん子さんにだけは好評だったので(笑)、気をよくしているリオハです、こんにちは。
 今回の『アニメ十二国記』は、陽子が遊郭に売っぱらわれそうになるの巻きでした。
 ついでに松山じいさんにもだまされ、陽子、すさんでいくばかりです。
 つーことで、ここいら原作ではひらすら閉塞感が続き、読んでるがしんどいシリーズだったのですが、ガマンガマン。これも、水戸黄門が印籠を出すまでです。(←なんじゃ、そりゃ)
 ひたすら耐えに耐えて最後に爆発、敵を粉砕する少年ジャンプの主人公のように、最後には陽子も必殺技を身につけ、並み居る敵をバッタバッタと……って、違う(笑)。(いや、あんまり違わないか)

 ところで、各所で陽子をゴツイとか腹が六つに割れてそうとか北斗真拳を使いそうとか色々言っていた私ですが、逆に六太はきゃしゃな美少年で驚きました。(もっと小汚いガキかと思っていた←慈愛の生き物になんていう言い草)
 これじゃ、全国のお嬢さん方の妄想を促進……することもないのか、今さら(笑)。

私が描くと全然美少年じゃないなー


2003/4/28

 六本木ヒルズに行った後輩の話を聞く。近所にたまたま六本木ヒルズが建ってしまった彼女は、チャリで出かけて行ったそうだ。
「カフェが多くて」
と、いう感想をMさんが
「えっ、カメが多い!?」
と、ソラミミする。
 みんな一斉にビルの床を無数のカメが歩いて行く姿を脳裏に思い浮かべてしまったのは言うまでもない。
 さあ、みなさん。一緒に想像しましょう。
 3日間で95万のカメ出。
 特別展望台から眺めを満喫するカメ。
 ブランドショップでお買い物をするカメ。
 シネコンで映画を観るカメ。

 ちょっと行ってみたくなりませんか? 六本木ヒルズ。


2003/4/27

 名古屋からペンギンさんが上京。
 色々なところに行きました。
 丸ビルも麦酒博物館も、ペンギンさんがいなければ行かなかったよ、私は(笑)。
 学生時代のバイト写真という、とってもおいしいものも見せていただいたりとか(ふふふふふ←なんだ、この笑いは)、とっても堪能致しましたわ。どうもありがとうございました。


2003/4/25

花の紅天狗  先日のリベンジで新感線の『花の紅天狗』を観に行く。
 自分でチケット取っりました。やればできるじゃん>自分(って、それが普通だってーの)
 場所はテアトル銀座。昔、真田広之の『ハムレット』(オフィーリィアは松たか子)を観に来て以来だ。それも、当日行けない人が出たピンチヒッターだったのだけれど。

 『花の紅天狗』は『ガラスの仮面』のパロディミュージカル……という説明で間違ってないと思う。
 『ガラスの仮面』と同じく劇中劇があるバックステージものなのだけれど、特筆すべきはその馬鹿馬鹿しさだろう。しかも、それを延々3時間もやってるわけっすよ。
 でも、ものすごく馬鹿なことに説得力を持たすって、やっぱり途方もない底力がいるんだよな。
 笑いながら、そんなことをぼんやり考えた週末の私。

「人は誰でも心に亀を飼ってるの。その亀は、ガラスで出来ていて、もろくて壊れやすく、そして臆病な生き物。すぐに手足を甲羅の中に引っ込めてしまう。でもね、亀は最後には兎に勝つの。兎がどんなに速く走っていても、最後には亀が勝つの」(月影花乃丞)

『花の紅天狗』2003年4月9日(水)〜27日(日)ル・テアトル銀座
作 : 中島かずき
演出 : いのうえひでのり
キャスト:
月影花乃丞(木野花)/赤巻紙茜(高橋由美子)/桜小町カケル(森奈みはる)/藪雨史郎(粟根まこと)/殴屋多喜二(川原和久)/仰天一郎(池田成志)上川端麗子(川崎悦子)/瀬戸際我志郎(逆木圭一郎)/コーセー・オースチン(右近健一)/陰兵衛鳥賊橋(インディ高橋)/ハラショー川嗣 (川原正嗣)/前左田トール(前田悟 ) 


2003/4/24

 ちょっと、3冊くらい買って配りたくなった1冊。
 『金魚屋古書店出納帳』(芳崎せいむ/少年画報社)。
 私がこの本を手に取ったのは某書店でオリジナルのカードをつけてプロモートしてたからなのだが、本屋に愛と吸引力を感じてて、しかも漫画好きな人種だったら、ほぼ外さないだろう。
 私も思わず帯にマーカーで、「リオハ氏大絶賛」と書こうかと……(笑)。

 舞台は「金魚屋」という古書店。
 恐ろしいほどの品揃えとビシっと適正価格の古書店と、それにかかわる人々のエピソードで綴る物語。

 いやあ、いいんだ、これが。
 本と人とのかかわるエピソードは昔からあるが、マンガと人のかかわるエピソードは特別だね。それは、自分が思い入れがあるせいかもしれないし、多くの人がマンガに関わるのがピュアな子供時代だからかもしれない。
 思い出の1冊を探す普通の人も金魚屋に来る。コアでマニアックな人も、もちろん来る。買いにくる人もいれば売りに来る人もいる。それぞれが特別なエピソードを持っている。
 でも、あんまり説明しちゃうのはもったいないかも。
 とにかく、読め。そしてホロリとしなさい。しなさいったら(笑)。

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2003/4/23

 BookOffで『そして愛はめぐる』(D・モトーマン、平田敬訳/新潮文庫)の上巻を見つけて、小躍りして買う。借りて読んで面白かったので欲しかったのだが、新潮文庫の海外翻訳らしく(笑)、とっとと絶版になってしまって古本で探すしかなかったのだ。そして、これが下巻は売っているのに、なぜか上巻は売っていない。探し始めて2年くらいたつかも。
 物語はすごく大まかにカテゴリ分けするとロマンス。しかし、夫婦の問題あり、家族の問題あり、サクセスストーリーありで、ものすごく読み応えがある。

 ギャビィはどこにでもいる普通の主婦だった。
 会社重役の夫に可愛い一人息子。何不自由ない生活を送っていたが、突然夫が愛人の元に去って、全ては一変した。息子も夫に味方した為に、彼女は失意の余り家を出た。
 一人で生きる決心をし、過去を偽って飛び込んだのはNYのオークション業界。華やかなイメージとは裏腹に、成功と挫折が背中合わせの激しい競争が繰り広げられる世界だった。

というストーリーで、注目は舞台をNYのオークション業界にしているところ。
 オークションの本場はやっぱりロンドンで、クリスティーズもサザビーズも本社はロンドンだ。NYのオークション業界がうかがえる本というのが日本ではあまりなくて、私も小説ではこれしか知らない。
 つーことで、やっと手に入って嬉しいわ♪
 さっそく読み……はじめたいけど、この本ぶ厚いのだ。上巻576P、下巻609P。なかなか根性の入った厚みだ。
 GWにも読もうっと。

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2003/4/22

 なんのかんのといいながら、NHK教育の『十二国記』、毎回見ております。
 絵が地味とか、陽子がゴツいとか、杉村の声が二階堂(←キャラ名だろ、そりゃ)なので運命が見えてしまうとか色々文句をいってはいますが、基本的に面白いっす。
 なんといっても私のツボをつくのが、妖獣の皆さん。
 どーぶつ好きとしては、変な生き物のたくさん出る『アニメ十二国記』は毎回楽しくて仕方ありません。意外に麒麟がカッコよかったし。
 小説で、「馬と鹿を合わせたような生き物」といってたのに、ユニコーンのように優美でしたわ。

 そして、今回は↑のような理由で「馬鹿」っつー噴飯ものの字(ニックネームみたいなの)を自分の麒麟につけたゴーカイさん・尚隆が登場!
 コッテコテの登場シーンで、思わず
「お前はは浮遊雲かっ!」
と、画面に向かってツッコんじゃいましたよ(笑)。
 「あちき」とかは、いわないだろうけどさー。

小松の大親分♪


2003/4/21

と、いうわけで(どういうわけだ!)、『ヒカルの碁』17巻である。
 これで佐為編は終わり。
 佐為が消えた時にはあんまり泣かなかったのだが、今回はホロリと来ました。
 んで、ここまで見終わったので、1回くらいアニメも見るかと思って録画しておいた最終回を見たんだけど、こっちは泣かない。
 またマンガを読む。
 ホロリ。
 どうしてだろう。アニメの方が動きもあって、音楽もあって、色もあるのに。
 もしかしたら、セリフとカット割りというのは自分に合った間合いがあって、マンガだと自分に最適のスピードで読んでいるせいかもしれない。
 今回はついでに、マンガの白黒の画面に軍配が上がる。やっぱり囲碁は白と黒の世界だもんね。

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2003/4/20

ギャルソン!  『ギャルソン!』を見る。
 イブ・モンタン主演の1986年作品。
 フランス映画らしく派手なシーンなどない作品なのに、結構ずーっと見つづけてしまう。やっぱりイブ・モンタンのせいだろうか。(第2回オヤジスキー同盟推薦作品)

 アレックスは結婚に失敗した初老の男。今はパリのレストランで給仕長として働いて、海辺に遊園地を作る夢を持っている。同じ職場で働く同居人ジルベール、人妻の恋人、若い恋人……。
 ギャルソンとそれをとりまく人々の日常風景を描く。

 久しぶりに実家でビデオを見ていたら、横で見ていた母が衝撃の一言をいった。
「この人達、ホモなの?」
「えっ! でも、二人とも結婚してるよ?」
「おホモ達なの?」
 う、うーん。
 イブ・モンタンは恋人が複数いて、いずれも女性だけど、確かにジルベール(←チビデブだったり)とは仲がいい。ビールでびしょ濡れになった彼に自分のシャツを貸してあげるときも、わざわざ着せてあげたり。
 そういう映画ではないんだけど、思わぬ人の思わぬ邪推に、ちょっと考えてしまいました(笑)。

 イブ・モンタン演じるアレックスは、同じ年くらいの恋人がいるかと思えば、別の若い恋人に振られたりして、そうかと思うとすぐその後にクレールという女性にアタックをかけている。フランス人って、みんなこんなに恋多き人々なのか?
 相手のクレールにしても、夫がいて、海外で井戸を掘っている(海外青年協力隊か?)恋人がいて、他にアレックスがいるんですぜ。
 それでも、アレックスが気は多いけど気のいい男なんで、あんまりイヤな感じがしない。
 フランス映画って、やっぱり落ち着いてていいなあ。あんまり落ち着きすぎると寝ちゃうんだけどさ(笑)。


2003/4/19

 『リドル・ロマンス――迷宮浪漫』(西澤保彦/集英社)読了。
 ハーレクインという謎の男がクライアントの希望を叶える、ファンタジーの体裁をとったミステリ寄りの作品。
 って、苦しい解説だな(笑)。
 某所で、「『笑ゥせぇるすまん』を美形にした感じ」という感想が載ってて、非常にウマい説明だと思った。
 そう、あんな感じ。話も印象も。
 だから、連作短編という形式は非常にこの物語に合っていると思う。

 今回は、篠田真由美が解説のかわりにショート・ストーリィ書いていて、それが楽屋落ちであり解説でありパロディでもあって面白い。
 世の中には、映画の最後にヨドガワさんが出てくるのが好きな人もいれば嫌いな人もいる。そういうワガママな欲求に上手く答えていると思う。

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2003/4/18

 ちょっとショックな出来事が。
 今日だと思っていた新感線の『花の紅天狗』のチケット、なんと昨日分でした……。
 あああ……。


2003/4/17

 つーことで、今回の治療は終わった。
 なんと4月から社会保険の本人負担が3割になっていて、握りこぶしを握らずにいられない。
 3割負担なら高い社会保険に入ってる価値ないぞーーーっ!

 ちなみに、最後の日だったので、今回は歯のクリーニングと歯磨き指導であった。
 自分のハブラシ持参である。
「いつも磨いているように磨いてみてください」
と、歯科助手(女性)さんに言われて磨く。30cm以内に歯科助手さんの顔がある場所。
 日頃、じっと注意して見られるような行為じゃないから、照れる。めちゃくちゃ照れる。
 それでもって色々ダメ出しをくらったが、最大のものは先生の
「ハブラシを買い換えろ」
だった。
 このショッキング・ピンクと緑の組み合わせのハブラシ、気に入っていたのになあ。(←気に入ってても限界です)
「マツキヨで10本298円のでいいんじゃ!」
 えっ。
「先生、歯医者さんが勧めるハブラシとかいうのは……」
「ああ、そんなもん、高くても安くても一緒」
 本当か?
「じゃ、これで終了。またすぐ虫歯を作って来るように」
 ああ、イマイチ信用できないのはナゼ?(笑)


2003/4/16

 3月から歯医者に通っている。奥歯の詰め物が取れたまま1年くらい放置してしまったのだが、いくらなんでもなんとかすべ、と、思って、オフィスのビルに入っている歯科に行くことにしたのだ。
 あんまりいい噂は聞かないが、後輩も通っていたし、電話を教えてもらった時にも何もいわれなかった。まあ、大丈夫だろう。

 行ってみたら、先生は大変喋る人だった。
 私は既に先生の住んでいるところから、朝起きる時間、奥さんの年齢まで知っているので、その喋り具合がわかるだろう。
 しかも、治療中なので、私はあいづちの一つも打てない。
 身動きもせず黙って聞いているという木偶人形である。

 ……先生、歯科医は天職か?


2003/4/15

 ふと考えたんだけど、鮭が海に出る時ってドラマなのではないだろうか。
 今まで川で生きていたものが、海に出ていく。淡水から海水へ、生活環境の激変!
 幼なじみのメダカ(同じ川にいるとして)やアユ(だから、同じ川にいると仮定して)との友情(育つとして)に起こる波紋。(水の中だけど)
「しょせん、あいつとは住む世界が違うんだ」
と、やさぐれるメダカ。
「ばかっ! ここ(淡水)でしか生きられないオレ達と違って、あいつは広い世界に出て行けるんだ!」
 泣きながらメダカを諭すアユ。
「友達の門出を心から祝うのが本当の友情だろう?」
「う、うあああああ」
 抱き合って号泣。
 ロマンスにするなら、サケの決めゼリフもあります。
「俺は海に出ていくけど、必ず戻ってくる。そして、お前の傍で死ぬ」

 たまに、こう、常温に放置して1週間たつ魚のような腐ったことを考えるワタクシ。


2003/4/14

 日曜日、家に帰る途中、駅で待ち時間があるのでベンチに座ったら背中あわせの位置にアベックが座っていた。
「おうちにいってもいい〜ん?」
と、イチャイチャぶりを発揮していたが、そのうちに派手なチュウの音が! まだ午後2時なのに! 人んちの子供も興味深そうに見てるのに!(笑)
 盛り上がってイチャイチャしてても別にかまわないんだけど、そんな時に思い出すのは元同期の名言。
「地味なカップルほどベタベタしてる」
だ。
 そうなんだよね。あれは不思議です。

 んでもって、そんな公共の場でのイチャイチャ・カップルに
「あなた達、恥を知りなさい!」
と、一喝するのが、『ノンセクシャル』(森奈津子/ハルキ・ホラー文庫 )のサイコなノンセクシャル。
 バイが男女ともイケるセクシャリティなら、ノンセクシャルというのは性や恋愛に興味が向かないセクシャリティ。そんなセクシャリティまであったんだ〜。いやあ、世の中は広いなあ。
 この本には二人のノンセクシャルが出てくるが、どうも片方は本来のノンセクシャルじゃない感じもする。過去の体験が元で、性を嫌悪するようになったからだ。
 サイコなノンセクシャルは精神だけの美しい結びつきを求め、どんどん狂気の世界に……。
 ……という感じの話なのだが、これ、あまり怖くない。
 主人公のマヌケな性格によるものだろう。
 主人公・詠子は、バイセクシャルで、男とも女とも関係を持ったことがあるのだが、恋人とのセックスの時に余計なことを考えているのだ。
 例えば――。
 「ラッコ」。
 あの腹の上に貝を乗せて、石を叩きつけて貝殻を割る、かわいいラッコである。
 もし、世の中にマヌケなラッコがいて、貝を乗せるのを忘れて石をお腹に叩きつけてしまったら! 仮に今までのラッコ史にそんなマヌケはいなくて、2000頭のラッコは無事に済んでも、2001頭目のラッコがそういうラッコだったらどうするのか。
 ……。
 …………。
 怖くないけど、面白いです(笑)。

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2003/4/13

 さすがにマンガが増えすぎだ。
 反省した私は、30冊ばかりBookOffに持ち込んだ。何度も書くが30冊くらい減ったって焼け石に水なのだ。
 でも、これは小さな一歩でも人類にとっては大きな……くぅ。とりあえず東京の住まいには本棚がないのだけれど、一個買おうかしら。
 いつまで住むかわからないから、あんまり家具を増やしたくないんだけどさ。掃除もラクだし(笑)。  買取金額490円。
 それで、また買取以上に買ってきちゃ、いけないなあ(笑)。

 上原きみこ作品をドスドスと買い込んできました。
 『炎のロマンス』、『ロリィの青春』、『ごきげんチャーミィ』、『タヒチアン・ロマンス』……。
 特に『炎のロマンス』(講談社漫画文庫)、すごいです。
 主人公・亜樹は普通の女子高生。そんな彼女がある日突然拉致されて気がついたところは、南太平洋の絶海の孤島だった。
 その島では黒髪の娘が女王となる慣わしで、そのために日本からさらわれたのだ。  普通の女子高生だった亜樹は、王権争いに巻き込まれながら、強く、たくましくなっていく……。

 うーん、改めて書いてみると、十二国もびっくりのストーリィではないか(笑)。ラブ・ロマンスがあるのがちと違うけど。

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2003/4/12

 佐為がいなくなっちゃったよ〜。
 うあああああ、と、号泣するヒカル。そして、同じく泣く私。

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2003/4/11

 んで、そんな私が何を買ったかというと、低反発枕でした。
 実家ではブレア・ウィッチ・プロジェクト……じゃなくて、ブレア首相提唱英国2000登録商品の低反発ピローを使っている私だが、マンションでは羽根枕だったのだ。
 やっぱり低反発枕の方が自分に合っているみたいなので、そんなにお高くないものを通販してみた。
 ついでに、低反発ウレタン使用の座椅子なるものも同じ所で通販していたので、それも購入。無印のローデスクにパソコンを置いて作業していたら、結構腰に来たんだよねえ。ノると暴走して6時間くらい座りっぱなしなので、ちょっと体への負担も考えようかと。
 4980円だった割にはいい感じ。
 ランバーがイマイチちゃっちぃので、それは前に買ったテンピュール腰枕(←座椅子より高い)で補足しようっと。

 『彼方から』(ひかわきょうこ/白泉社花とゆめコミックス)14巻が出ていたので購入。
 とうとう完結で、巻数としては大したことがないが、休載や変則連載で、完結まで足掛け12年だそうな。なんだかしみじみしちゃうなあ。

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2003/4/10

 荷物が届く予定なので、早めに会社を出る。
 会社から歩いて5分くらいで携帯が鳴った。
「リオハ(仮名)さん、戻ってきて。トラブルだから」
上司からだった。
 今来た道をとぼとぼと戻る。
「また何かやったか、私!」
と、思ったが、戻ってみたら一番会社の近くにいたので戻された模様。
 各所に連絡したり、伝票を調べたりして対処を始める。
 私が電話をしていると後で、
「だいたい同じ間隔で何かしら起こるね」
「カツが入るよね」
「『生きてる〜』って実感がわくよね」
と、課長同士で掛け合っている。
 やっぱり、これくらいのポジティブ・シンキングじゃないと出世できない……前に生き抜けないんだろうなあ。
 私の後任者って、精神状態がイっちゃって二人ほど会社を辞めているのだけれど、だから「もしかして、私ってよっぽどズ太いのか、もしかして?」と思ってたけど、いい方に考えようっと。

 トラブル対応を一応終えて会社を出たら、また携帯が鳴った。
「まさか、またか? また会社にリターンか?」
と、ドキドキしながら出てみたら、クロネコのお兄さんからだった。不在だったので、また別の日に配送するとのこと。その時、8時5分過ぎ。
「えっ、今、家から5分くらいのところにいるんですけど」
 5分はウソである。本当は徒歩10分くらいのところなのだが、帰りにもう一度寄って欲しい気持ちが微妙にサバをよませてしまう(笑)。
「……わかりました、今、家の前なんですが、待ってましょう」
 えっ。
 そこまでは考えていなかった!
「あ、ありがとうございます……」
 私に他に何が言えただろう。
 かくして私は徒歩10分の道を走り続け、
「お、お待たせして……すみ……ません。はぁはぁ」
と、肩で息をしながらクロネコのお兄さんに挨拶することとなった。


2003/4/9

 7日から、NHKの50周年記念として『プリンプリン物語』の再放送が始まった。
 拾われっ子のプリンプリンが祖国を探して漫遊。行く先々で葵のご紋をかざして悪代官をバッサバッサと……というのは別番組だったわ。昨年の日記でも熱く語ったので、覚えていらっしゃる方もいるかもしれない。
 NHKの人形劇シリーズの1つで、やたら登場人物が歌うミュージカル人形劇だった。さすが3年も続いた人気番組だけあって、ファンは私だけではなかったらしい。

ルチ将軍  さて、『プリンプリン物語』といえばルチ将軍である。
 アクタ共和国の知能指数1300を誇る将軍。その頭脳を支えるために頭が不必要にでっかい。(横に座っているプリンプリンと比べていただければ、そのデカさがおわかりだろう)
ルチ将軍とプリンプリン  あの素敵なルチ将軍(声・神谷明)に、また会えるのね〜♪
 初日は気がつかなくて見逃しちゃったけど、録画しちゃって保存しちゃうもんね〜♪
 これからはいつも一緒に歌うんだもんね〜♪
 ……などと、「どんな人にも春って来るのね……頭に」みたいなことを考えて浮かれていたら、ショックなお知らせが!
 なんと、『プリンプリン物語』2話〜442話まではNHKにビデオなし! プリンプリンとアルトコ中央テレビ略してアル中テレビ花のアナウンサーが解説してました。
「当時、VTRは大変貴重なもので」
「放映が終わったものは上書きして再使用されてました」
「だから、私達の番組も上書きされてしまったのです」
 ……ああ(涙)。
ルチ将軍壁紙  そんなわけで素敵なルチ将軍の出演回はNHKにビデオなしのため、放映されず。
 涙にくれるアナタのために(私だけか? もしかして)、特製ルチ将軍壁紙を作ってみました。NHKにはナイショで使ってください。
(クリックすると原寸大画像に飛びます→)


2003/4/8

 CasaのTOP変更。
「君の美しさを永久に残してみたいと思わないか!」
と、AVの監督のようなことを言いながら、近所の桜から花をいただいてきました。
 しかし、桜は難しいや。色合いが微妙すぎて、きちんとした照明がないとムリなのかもしれん。
 PhotoShopで加工しまくりで、微妙な色合いが飛んだ……ような。

 『顔のない狩人』(アイリス・ジョハンセン、池田真紀子訳/二見文庫)読了。
 前作、『失われた顔』の続編で、複願専門家のイブが主人公。イブは娘・ボニーを殺され、その犯人が死体を埋めた場所を告白しないまま死刑になってしまった過去を持つ。
 ボニーの死はずっとイブを苛み、遺体を連れかえってあげられないことに何年たっても苦しめ続けられている。
 結局、前作ではボニーは見つからなかった。
 今回は、
「ボニーを殺したのはフレイザーではない、私だ」
というドンと名乗る脅迫者からの電話で始まる。
 フレイザーはドンの傀儡で、世間の注目を集めるためにドンのやった犯罪を自分の犯行として吹聴したというのだ。
 ドンのいった場所で確かに何体もの骨が見つかり……。

 快楽殺人犯のドンが追い、イブが逃げる。
 サスペンス大盛りで、前回はさっぱりだったロマンスもあり。
 しかし、イブって少女マンガの主人公みたいだなあ。コンピューター会社の社長・ローガン、元FBIで警官のジョー・クインと、一筋縄ではいかないイイ男に熱烈愛されちゃってるのだ。
 彼らがイブを愛するのは、イブの不撓不屈のガッツな性格。
 よく考えてみると、この物語、ガンコ者ばっかりだわ……。
 ジョーなんてイブをガンコに愛しつづけて、イブを中心に世界が回っている。なにしろ、イブに女性の友達を作るために結婚までしちゃうんですよ、奥さんっ!(ちなみに今回の作品では離婚済み)
 その中で、死体を見つけると落ち込む死体捜索犬・モンティが私の心の潤いだった。
 トレーナーのサラとモンティのコンビは『爆風』で主役を張ってるみたいなんで、読まないと!

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2003/4/7

 CDで美空ひばりの『越後獅子の唄』を聞いてたら、すごかった。

 親方さんに(中略)撥でぶたれて

 「親方」に「バチで」「ぶたれ」るんだよ!
 今だったら、絶対児童福祉法違反。


2003/4/6

 『栄光のナポレオン――エロイカ』(全12巻・中公文庫/池田理代子)読了。
 ちょっとナポレオンについて調べることがあって読み始めたんだけど、後半が本当にダルい。ロシアで敗退するあたりから根性で読んでいた気がする。
 たぶん、アレだ。池田理代子という作家は戦記向きではないんだろう。
 エカテリーナとかポーランド史などはそれなりに面白いので、題材がこの人向きでなかったんだろうな。ナポレオンって戦争ばっかりやってたし。
 途中まで、『ベルサイユのばら』のロザリー、ベルナールの夫婦と、アランが出てくるので、ベルばら好きの人にはオススメ。

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2003/4/5

 猫宮さんがスタッフをしている劇団、「しゅーくりー夢」の公演に行く。
 雨が降っているせいか、冬に逆戻りしたかのような寒い日だった。少し早めに赤坂(劇場がある)に行って、お茶をして、終わった後に少し飲む。

 そういえば、前に飲みの時、猫宮さんに
「オカマ・バーでアニキと言われる人って誰だと思う?」
と、聞かれた。
 その時私はとっさに
「ブラザーの営業の人」
と、思ったのだけど、どうしてもどうしても、ああ、どうしても口に出せませんでした。
(下らないこと書いてるなあ。どうせなら劇の感想を書けって)


2003/4/4

 今週、時間外にERPの説明会があった。
 会計システムが変わるそうで、その伝票作成の説明だったのだけれど…………泣きました。
 説明を聞いている人の上に描き文字で

 ちんぷんかんぷん

という文字が見えたくらいだ。
 だいたい簿記の知識のない人間に難しすぎるぞ、ERP! だって、消費税の区分だけでも6つもあるんですよっ、お客さんっっ!

 でも、私は思ったね。これから就職するという人には、簿記の勉強がオススメだ。
 どんな会社でも財務がない会社っていうのは、ないんだから。希望職種に就職を約束……は出来ないが、希望会社には入れるかもしれない。


2003/4/3

 郵便受けに選挙広報が入っていた。
 4/13は東京都知事選挙。立候補者の全員の公約までわかって、コンパクトだけど便利なブツだ。
 実は私は選挙に行ったことがない。
 でも、今度こそは行かないと!
 だって……だって……ドクター・中松が立候補してるんですよ、お嬢さんっ!

 んでもって、ドクター・中松の主張がこりゃまたすごい。

 戦争が始まったから、私は立候補しました

おおっ。

 ・アメリカの国会で日本人として初の表彰を受けた。
 ・ブッシュ大統領よりの親書を受ける。
 ・アメリカ科学学会で歴史上の5大科学者に選ばれ、1945年以降(近代)で世界一の科学者に選ばれる。
 ・アメリカ15の都市の名誉市民と「ドクター・中松デー」が制定さる。

なるほど。

 だから都民の意向をアメリカにダイレクトに伝えうる唯一の立候補者です。

 すごい三段論法だ。
 (1)アメリカでリスペクトされている → (2)アメリカは戦争している → (3)戦争に発言力がある
 やばいやばい。私も一瞬うっかり鵜のみにしそうになりました(笑)。
 しかも、

 今年は私がフロッピーディスクを発明してから50年目、そして灯油ポンプを発明してから60年目になります。私はフロッピーディスクで世界を変えました。東京も私が変えます。

 ですぜ? 
 以下、ドクター・中松がどうやって東京を変えようとしているかご紹介しよう。

・戦争によるガソリンの値上げ
 石油に代る新しいエネルギーの発明で一挙に対処します。

・都の財政再建
 発明により新産業をおこし、都の税収を増やし財政を再建します。

・高齢者救済
 ドクター中松の発明した「リボディ」によって高齢者が若者のような健康体となり、高齢でも働けるようにします。

 なによりすごいのは、「北朝鮮の脅威からの防衛」に対するドクター・中松の政見である。

 ドクター・中松発明によるDND(ドクター・中松・ディフェンス)でテポドンが東京到達前にその脅威を取り除きます。

 ドクター・中松、無敵!
 これらすべてを実現するとなると、まさにドクター・中松は現代に現われたレオナルド・ダヴィンチ、全能の天才だろう。
 でも、これらすべてを実現するなら、ドクターには知事などという煩雑な仕事に忙殺されずに、発明だけに専念して欲しい、というのが私の願いだ(笑)。

 だから今回は選挙に行かなきゃ。行きもしないで文句言ってるのはカッコ悪いもんね。


2003/4/2

 『風水先生』(荒俣宏/集英社文庫)読了。やっぱり、風水はDr.コパよりアラマタだね。

 最近、よく張り紙を読んでいるリオハです。こんにちは。
 家のまわりの電柱に「たずねオウム」の紙が貼ってあった。気がつくと、何枚も貼ってある。飼い主は、よっぽど心配しているのだろう。携帯電話の番号も堂々掲載。オウムの安全の前にはイタ電などかまっちゃいられないという心境に違いない。
 つらつらと張り紙を読んでみる。

「大きさはハトくらい。
 色は灰色、尾羽だけ赤。」

 なんだかすごく普通だ。
 でも、どんなペットでもかわいがっていれば、どんな高価な種類よりかわいく思えてくるものだ。皆様も心当たりがあったら斎藤(飼い主)さんに教えてあげてください。

「保護してくださった方、または保護に近い情報を提供してくださった方には10万円謝礼致します」

 いえ、やっぱり、教えなくていいです。代わりに私に教えて下さい(笑)。

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2003/4/1

 マンション1Fの掲示板にこんな紙が貼ってあった。

 いっしょに太鼓を叩きませんか?

 うーん、こんなところでバンドメンバー募集か。地域密着型だなあ。……なんてはずは、もちろんなく。
 お神楽の太鼓メンバー募集だった。
 時間があればやりたいところだが、練習日は土曜日。他の習い事もあるので、これ以上土曜日に予定をつめるのはムリ。
 涙を飲んであきらめた私だったが、とっても近くで練習をやっていて、土曜の午後は笛の音がピーヒャラ、太鼓がドコドンと素敵な和楽が聞こえてくる。
 幼少のみぎり、笛と太鼓にさそわれてふらふらと家を出て、「リオハ(仮名)がいない」と近所中で探された過去を持つ私だ。(結局、盆踊りの輪の真ん中で踊っているのを発見された)
 だから、土曜日はどうにもこうにも体がムズムズして仕方ない。



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